そんな彼に、辻調理師専門学校の講師をはじめとした先生たちはどう対応しているのか。これはもう、“褒め”の一択である。彼ら・彼女らはとにかく褒め、応援する。
たとえば、魚肉ソーセージを5ミリ幅に切るシーン。「きっちりやっぱ5ミリでいきたいんですよねぇ」とじっくり慎重にカットしたDAIGOが、「どうですか?」と先生にたずねる。先生は「完璧です。ぴったり5ミリだと思います」と褒める(4月18日)。
あるいは、餃子を包むシーン。自分で包んだ餃子の出来の良さに「うぉお!」と感嘆するDAIGO。「すごい」と褒める先生。「先生どうですか」と確認するDAIGO。「ほんとにもう(私が包んだのと)一緒です」とさらに褒める先生。「どっちが先生のかわかんなくなりました」とDAIGOが大きく出ると、先生はそれに乗って「めちゃくちゃ上手です」と輪をかけて褒める(4月20日)。
連発される「すごい」「完璧です」「上手です」といった褒め。「“ぴったり”5ミリだと思います」など過剰になっていく称賛。そんな従来の料理番組にはあまり見られなかった褒め言葉のハードルの低さに、こちらは思わず笑ってしまう。
あるいはその笑いは、たどたどしいが一生懸命な子どもを褒める親の立場に、思わず自分をおいてしまうがゆえのものかもれない。成長する我が子を見守る目線。その目尻のさがった目線に伴う笑い(というか笑み)かもしれない。
そんな笑みを引き出す魅力がDAIGOにはあり、その魅力を番組は最大限に活かしている。
DAIGOの成長を見守りたい
番組の見どころはまだある。DAIGOが辻調の先生たちと交換する育児情報。DAIGOから漏れ出る妻・北川景子や娘たちと過ごす家庭での様子。緊張しがちな性格なのかDAIGOとのコミュニケーションがたどたどしい料理コラムニスト・山本ゆりと、調理がたどたどしいDAIGO、その2人の出会いがもたらす軽い“事故”――。
2022.06.06(月)
文=飲用てれび