人には「焚き火欲」というものがあると思うんです

Q.寒川さんの思う焚き火の魅力とは?

 2005年から浜辺で焚き火をする「焚火カフェ」を主宰していて、これまで何千人という人たちと焚き火をしてきました。

 その中で感じたのは、人には「焚き火欲」というものがあること。火を見つめることは人間の本能的な行為で、焚き火もつい見入ってしまいますよね。

 その時に、パチパチという音だけでなく、薪から蒸気が出るシューッという音や、ゴーッと燃え上がる音が加わって複合的な音になり、五感が呼び覚まされるような感じがします

 この不規則な音に心を落ち着かせる効果があり、気持ちを癒やしてくれるのです。

 今、多くの人が焚き火を求めていますが、その歴史をさかのぼると、縄文時代から変わっていないんです。

 私たちが今おこしている火と、何万年も前の火は同じで、祖先が見ていたものと同じものを見られることなんてそうそうない。

 つまり、焚き火はタイムトラベルでもあるんです。移ろいが早い現代社会の中で、火は普遍的で揺るぎない。

 そういう”揺るぎないものに身を寄せたい”という気持ちを、焚き火が満たしてくれるでしょう。

寒川 一(さんがわ・はじめ)

香川県出身。アウトドアライフアドバイザー、UPI OUTDOOR PRODUCTSのアドバイザー。三浦半島での「焚火カフェ」を15年以上続けている。アウトドアでのガイド・指導はもちろん、メーカーのアドバイザー活動や、テレビ・ラジオ・雑誌といったメディア出演など、幅広く活躍中。とくに北欧のアウトドアカルチャーに詳しい。

焚き火の作法


定価 1980円(税込)
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