有機ハトムギ粉入りオリジナル水餃子が人気の「按田餃子」(東京・代々木上原)の店主であり、料理研究家としても活躍中の按田優子さん。

 住み慣れた東京のほか三浦半島にも住まいを持ち、事務所兼自宅との2拠点生活を始めた。


海で過ごし、散歩し、野菜を育てる

 パートナーの岩野和政さんがコロナ禍でリモートの仕事が多くなり、「東京に住んでいる必然性がないことに気づいたんです。住むなら自分たちでDIYしながら心地よく暮らしたい。だから、古民家限定で探したんです」

 神奈川から埼玉、山梨まで探し、三浦のこの物件に一目惚れした。

「海で泳ぐのが好きなので、即決でした」

 高台にあって眺めは最高。自然に囲まれ、海まで自転車で10分の理想的な場所だった。

 岩野さんはこの家で暮らし、按田さんは週に4日ほど都内で仕事をし、三浦に戻れば、完全にオフとなる。

 目下の楽しみは、海で過ごすこと、散歩すること、野菜を育てること。

「朝昼晩の食事ルーティンに縛られず、食べたいときに食べたいものを楽しむ生活です。朝起きて天気がよかったら、洗濯して海でごはんを食べようとか、起き抜けの空がきれいなら、バルコニーでコーヒーを飲もうとか」

2022.04.02(土)
Text=Mika Kitamura
Photographs=Atsushi Hashimoto
Food coordinate & styling=Yuko Anda

CREA 2022年春号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

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