御厨 その流れが天皇家にもスライドしているということでしょう。ただ大前提として、天皇制は家と家との結婚で維持されてきた歴史がある。それがいつしか、自由恋愛であるとか、個人の自由を重んじるような風潮が出てきた。眞子さまもそうですが、妹の佳子さまも「姉の一個人としての希望がかなう形に」とコメントしています。一個人である前に、公的な立場であるという意識が少し欠けているのかもしれません。

林 やはり眞子さまや佳子さまの自由なふるまいを目にすると、皇族然として正道を行かれる愛子さまのお姿に好感を抱く国民はかなり多いと思うんです。聡明で、お人柄もすばらしいというお話も洩れ伝わってきます。本当は東大を狙えるほどの学力なのに、お立場を考えて学習院に進まれているとか。ここにひとつの救いがある気がします。

「好きな者同士が結ばれるのが幸せ」とは何も持たぬ庶民の価値観だ…眞子さん問題を予言した梨本宮伊都子妃の結婚観 へ続く

2022.02.15(火)
文=「文藝春秋」編集部