ファンの方たちは、そこは最初からわかってくれていると思います。ただ、一歩踏み込んで、いろんな楽曲を聞いて、トークしてるところも見ていただいて、それで初めて「ああ、こういう人なんだ」ってわかってもらえるものだと思うので、テレビでちょっと見たことあるなくらいの人にとっては、今も『さくらんぼ』のイメージなのかなと。やっぱりヒット曲は強いですよね。

尖ったことをやってたはずなのに……

――大塚さんと言えば、かわいいイメージのPVも印象的ですが。

大塚 曲がかわいいものであれば、ビジュアルもそうしないと釣り合わないので、そこに転んでいるという感じです。ただ、そうしたイメージについては、自分でもうまくプロモーションできてなかったんだなという反省もあります。やっぱりデビューしてしばらくはアイドルだと認識されてしまった、というのが大きいんだろうなと。

――そうした反応は予想外だったんでしょうか?

 

大塚 何をもってアイドルとカテゴリーされるのかはわからないんですけど、自分の中ではもうちょっと、どっちかと言うと尖ったことをやってたはずなのに、それが「かわいい」に認定されてしまった誤差と言いますか……。毒とか、駄菓子の体に悪い感じを表現しているというスタンスだったので、まさか「かわいい」って言われるとは思ってもみなかったですね。

大人の関係を歌った“刺激的な曲”も……

――ただ、これまでの活動の中では、必ずしもかわいい曲ばかりを発表されているわけではないですよね。例えば『黒毛和牛上塩タン焼680円』は……。

大塚 あ、出た!(笑)

――こちらは男女の大人の関係を歌った、かなり刺激強めな曲だと思うのですが、どういった心境で作られたんでしょうか?

大塚 これは、大阪に毎週のように家族で行っていた焼肉屋さんがあって。そこのタンが美味しいという話です。以上です(笑)。

――(笑)。『黒毛』のカップリングには、『つくね70円』という、さらに刺激的な曲もありましたが……。

2022.01.23(日)
文=松永 怜