大塚 ひどいですよね、ギャップがね(笑)。意味としては、『黒毛』はベッドに寝かせられた女性の気持ちを書いた曲なんですけど、そのつながりで『つくね』は男性の……これ、どこまで言ったらいいんだろう(笑)。とにかく、『黒毛』は女性、『つくね』は男性っていう感じです!

「あぁ、すごいぶりっ子だな」

――ありがとうございます(笑)。少し話を戻しますと、デビューしてからアイドルのように認識されてしまったのは予想外だったと。ではもともとは、どういったアーティストを目指されていたんでしょうか?

大塚 自分的には、音楽を通して女性の方と共に生きていきたいんです。女の汚いところとかめんどくさいこと、醜いことも全て、女だからこそ分かったり、共感できたりするものがある中で、一緒に歩んでいける感じを楽曲に落とし込みたいというか……。

 女性がちょっとでも癒されたり、勇気づけられたり、楽しくなったり。そういうことを狙ってやっていたのに、なぜか一時期男性に受けて、女性からは「マジぶりっ子だな、あいつ」みたいになってしまったのは、悲しかったですね。

――女性に寄り添うつもりが、違う形で捉えられてしまった。

大塚 とはいえ自分でも、たとえば誌面で客観的に自分の姿をチェックしたときに、「あぁ、すごいぶりっ子だな」って思うことがあるんです(笑)。映像を見ても、なんかちょっとした仕草がフニャンってなってたり、まぁ、それはそう思われるよなって。そこは、自分でもちょっと意識して動かないといけないなと反省しました。

――そうしたことは芸能界に入る前、学生時代などにもありましたか?

 

大塚 学生の頃は……でも、やっぱり誤解されることは多かったですね。自分では普通にしているつもりでも、同性からは仕草がぶりっ子と思われたり、男の子と話をするだけでも反感を買ってしまったり。

――そういったイメージとのギャップで、辛さを感じることはありますか?

大塚 デビュー当時は苦しかったです。でも、マネージャーから「それは年齢のせいだよ」ってなだめられまして。「いずれ年を重ねたら、誰もそんな風に言わないからさ」って。なので、今となっては、もしかわいいっていうカテゴリーに入ってるんだとしたら、そのトップを目指したいな、と思えるくらいになっています。

2022.01.23(日)
文=松永 怜