「笠松さんが山場作り師として(笑)毎回山場を作ってくれていたのだと思います」(藤原)

――1話あたり3~5分前後という短い中に、毎回、次の展開が待ち遠しくなるクライマックスが作られています。毎回それがあるというのは、演じる方も結構な体力がいるのでは!?

藤原 いえ、それが撮影自体3日間しかなくて、そのうち私は2日間での撮影でした。1話ごとではなく、同じ場所のシーンをまとめて撮っていったので、私はどこからクライマックスに持っていくとか、あまり意識せずに演じていました。きっと笠松さんが山場を毎回、作ってくれていたのだと思います。山場作り師として(笑)。

笠松 山場作り師って(笑)。いや、それで大変だったのは脚本のほうだと思います。演じる方としては、1話が短ければ短いほど、そのシーンの目的がハッキリ分かるので、むしろやりやすい。余計な要素を詰め込める長さがない分、どこに向かっていくかが分かりやすいんです。1話1話、向かっていく道しるべ的な点がしっかり打たれていたので、楽というか、楽しかったです。

――縦型のスマホ画面、という画面サイズで撮影すると、自然に寄りが多くなると思いますが、演じる際に何か意識したこと、勝手の違いはありましたか?

笠松 寄りが多いというより、(カメラを)引けないので、メチャクチャ難しい撮影ではありました。やはり動きも制限されますから。例えば、普通なら体を前後に動かせるけれど、仰け反るような体の前後運動もできない。でも同時に、自分にしっかりフォーカスされる感じがあったのは、面白かったです。制限がある分、逆に色んな効果を生み出せて、今までにない撮り方も自然にできていく気がしました。

藤原 自分が出演するシーンの撮影じゃないときは、モニターを覗いてみたりしていました。そうしたら、今まで知っている画とは何か全然違う、と感じて。すごく綺麗で、照明も普通のドラマとはちょっと違うというか、まるで異空間みたいになっていて。映像がすごく美しいな、と思いながら撮影を見ていました。

笠松 シーズン1に続き、今回の撮影は、JUNPEI SUZUKIさんという、カメラオタクのような変態かつ天才的な方で(笑)、編集のことも、僕のやりたいことも色々分かってくれる方なので、そういう意味でも楽しくできた部分があったと思います。

2021.12.28(火)
文=折田千鶴子
撮影=鈴木七絵
スタイリスト=徳永貴士(SOT)
ヘアメイク=SHUTARO(vitamins)/笠松さん、飯束ゆうこ/藤原さん