多芸を持つ
安藤 そのためには、「多芸」というのもキーワードだなと思います。最近、某社のアイドル選出の審査員をしているのですが、合わせワザを持っている人はすごく強いです。アイドル×料理とか、アイドル×文芸とか。速水もこみちさんの料理家としての二回目のブレイクを見ても、一芸とか多芸を持つことって、普通の社会人にもすごく重要なんじゃないかと思います。
ちきりん しかもそれって難しく考えず、自分の好きなこととか、趣味でいいんですよね。
安藤 ある人が言ってたのですが100万人中の1位になる方法って、普通だと、99万9999人を抜かなければいけない。それは大変です。でも、三分野で、100人中の1位になるという考え方もあるんですよね。ひとつは本業、あとは趣味の分野などで100人中の1位になるって考えれば、そこまで大変じゃない。
ちきりん なるほど。私は「韓流ドラマファン」なんですけど、それだけだと私より詳しい人はいくらでもいます。でも「韓流ドラマファン」と「社会派ブロガー」を掛け合わせたとたんに、ライバルはすごく少なくなります(笑)。
安藤 ただ、日本は副業を禁止している企業が多いし、ひとつのことをやりぬくことがプロフェッショナルという美学が強くて、いろんなことを同時にやることは尊敬されないですね。
ちきりん 日本人は「職人」が好きなんです。私は、給料は減ってもいいから週に3~4日休んで、休みの日は別の仕事にチャレンジするような働き方があってもいいと思うんですけど。それこそ俳優だって、養成学校に入ったり、オーディションを受けたり、何歳からでもチャレンジしてみたらいい。
2013.07.08(月)
photograph:Miki Fukano