シャリは「コルテックス(毛皮質)」と呼びます。カラーやパーマの薬剤がアプローチするのはこの部分で、髪色に関係する成分や形を形成する結合組織が詰まっています。

 そして具にあたる「メデュラ(毛髄質)」。きゅうりでありマグロですが、実際は空洞です。この空洞は保湿力に影響します。空洞には水分を溜め込むことができます。

 

ダメージとは

 髪の毛のダメージは主に、摩擦、熱、紫外線、薬剤といった外部からの刺激によって引き起こされます。

 ダメージを負うと髪の毛は海苔(キューティクル)が損傷して剥がれたり、剥がれた海苔の隙間から、シャリ(コルテックス)が流失するようになります。

 髪の毛は傷むにつれ手触りがザラザラしますが、見た目からもダメージは感じ取れます。

・髪色が明るくなる

 黒い色素はシャリ(コルテックス)の中にあるため、流失すると色が薄くなり、地毛よりも明るく見えるようになります。

・毛先に白い点々が見える

 海苔(キューティクル)が剥がれてしまうとめくれた表面が乱反射して、ポツポツと白い点が光って見えます。

・枝毛になる

 シャリ(コルテックス)は縦に繊維が繋がっているため、流出して減ると縦に裂けやすく、枝毛になりやすくなります。

「生活習慣でやりがちなこと」

 髪が濡れたまま寝てはダメ!

 忙しい毎日に追われ、シャワーを浴びてすぐ寝落ちしてしまうことがあるかもしれませんが、これは髪の毛を損傷させやすい習慣の一つです。

 なぜなら、髪の毛が枕に擦れて、キューティクルが剥がれてしまいやすいからです。特に濡れた髪はキューティクルの一枚一枚が開き気味になっていて、剥がれやすい状態です。

 対策としては、ドライヤーでしっかり乾かしてから寝ること。キューティクルは乾くと閉じる特性があるため、濡れている状態よりも摩擦に強くなります。

絶対ダメ! 濡れた髪にコテ、アイロンは使わないで

 たくさん聞く事例ではないですが、濡れたままの髪にコテやアイロンを使うことは絶対にしないでください。「髪も瞬時に乾くし、一石二鳥じゃん」とやっている方も稀にいるようです。

2021.10.11(月)
文=操作イトウ