地域を変えようと情熱をもった人々との出会い

「地域おこし協力隊員としての移住だったので、住居、車、パソコン、電話などが貸与され、生活には不自由ありませんでした。仕事としては、まずは地域のことを知ろうと、地域活性化の担い手を育てる『能登里山里海SDGsマイスタープログラム』に参加。学びとともに様々なネットワークを広げていきました」
2021年の春で地域おこし協力隊の委嘱を終え、ひとまず住まいは実家に。仕事は能登全体の観光地マーケティングや体験コンテンツ作りなど観光事業を引き続き行う。さらには金沢大学と志賀町の医療協定事業の仕事を兼業するなど、地域のために幅広く活動。
「能登は移住者の方も多く、人がとにかく面白いです。地域を盛りあげるためにアイディアを出して形にしていくエネルギーがあるというか。また、会社員時代とは違って自分がやったことが直接地域に変化をもたらしていると実感できるのも楽しいですね」

時間の余裕も生まれ、時々、朝一番に和倉温泉の「総湯」でお風呂に入り、辻口博啓シェフ監修の「ル ミュゼ ドゥ アッシュ」でスウィーツを味わうのが、豊かな時間。


そんな彼女に東京に戻りたいと思うことはあるかと尋ねると
「今はないです。反対に前職の繋がりで東京にも面白い人が多くいるので、彼らと能登でムーブメントを起こせたらと、考えるだけでわくわくします」

旅するように地方に住んでみたら
2021.09.27(月)
Photographs=Wataru Sato
CREA 2021年秋号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。