「猫は1匹ずつ違うから、一緒に暮らしてみないとわからないことが多い」

――実際、3匹との生活はどうでしたか?

 性格が全然違いますし、この種名はこういう性格だとか言われても一緒に暮らしてみないとわからないことが多いなと思いました。

 ロシアンブルーはボイスレスキャットって呼ばれるくらい鳴かない子が多いみたいですけど、うちのはめちゃくちゃ鳴くんです。

 ノルウェージャン・フォレスト・キャットはストーキングキャットって呼ばれるように飼い主のあとをついてくるって言われてますけど、うちのは全然ついてこないですね。

 ラグドールは言われている通り、抱っこが好きで甘え上手ですね。人懐っこさは家に知らない人がどれくらい来るかで変わってくるでしょうし、種類っていうだけじゃなく、猫は1匹ずつ違うんだなって思いました。

うちの子ベストショット②

――では、それぞれどんな性格ですか。

 ラグドールのラグは人懐っこくて、膝の上に乗ってきたり、目の前をぐるぐる回ってなでろって要求してくる。かわいらしくて、めっちゃおっとりしてます。あと、運動神経がそんなによくないのか、キャットタワーに登るのを失敗することがありますね。

 ノルウェージャンのノルはどっしりしていて、ずっと同じ場所に座ってる。すごく優雅で、走ってるのはあんまり見ないですね。

 ロシアンブルーのアンはとにかくツンとしてて、デレが一切ない。抱っこはあんまり好きじゃなくて、お腹を見せての抱っこは爪切りだと思うからなのか、めちゃくちゃ嫌がります。あと、運動神経がいいので、割と走り回ってますね。

――大きさも種類もバラバラということは、食べるものにも違いがあるんですか?

 食べるものは一緒なんですけど、人が食べるものって塩分が強いとか言うじゃないですか。最初からあげないことを徹底していたら、3匹ともカリカリ以外は食べ物だと思わなくなったみたいで、食卓にご飯を並べた状態で誰も見てなくても何もしなくなりました。

 猫に人気のあるキャットフードも一度与えてしまうと、人間をあれをくれるマシーンだと思っちゃうのであげてないですね。

 3匹ともカリカリをお皿に入れた分だけ食べるわけでもないので、多めにカリカリを用意しておけば勝手に欲しい分だけ食べますし、水も自動で循環させてるので、2日くらいは家を余裕で空けられると思います。実際したことはないですけど。

――手のかからない子たちばかりなんですね。

 カリカリと水をあげて、トイレの用意をするだけです。全て自動なので、手間がかからないですね。猫全般、そうなんじゃないですか?

 飼い方も、例えばマニュアルでは飼っている猫プラス1つトイレを置いたほうがいいとか、同時期に家へ来たなら1カ月くらいかけて隣の部屋同士で猫がいるんだということを確認させてから距離を縮めたほうがいいとか書いてありますけど、それも猫次第っていうか。3匹の場合は最初から一緒にしたんですけど、すぐ仲良くなりました。

 臆病な猫がいるならマニュアル通りにしたほうがいいかもしれないですけど、飼った経験があるならそれぞれのやり方で試していいと思っています。

2021.05.20(木)
文=高本亜紀
撮影=平松市聖
写真=菅良太郎