2020年、コント頂上決戦『キングオブコント』で念願だった王者に輝いたジャルジャルが、2021年5月17日(月)より大阪公演を皮切りに、全国ツアー『JARUJARU TOWER 2021―ジャルってんじゃねえよ―』をスタートさせることになりました。

 新型コロナウイルス拡大によって中止となってしまった昨年の全国ツアー。2年ぶりの開催となる今年は大阪、東京、福岡での16公演にて、オール新作となるコントを披露する予定となっています。

 公式YouTubeチャンネル「JARUJARU TOWER」では、「ネタのタネ」と称したコントを1本ずつ配信。ハイペースで作り続けたネタ数は約8,000本。

 2019年末には約8時間で108本のコントを披露するライブ、2020年にはビル1棟や老舗旅館を舞台としたコント、ファンとのリモートコントなど新しいコントの見せ方を追求し続けるジャルジャルの2人に、全国ツアーに向けての思いや新しいチャレンジについてなど語ってもらいました。

「アイデアはホコリみたいな感じで、無限に出てきます」(福徳)

――全国ツアーを、2年ぶりに開催する今の心境を聞かせてください。

福徳秀介(以下、福徳) また雲行きが怪しくなってきたのでちょっと不安ですけど、準備万端ですし、やる気も満々です。昨年の全国ツアーが中止となったことで、1年半、単独ライブをやってない状態になってしまって。

 単独をまったくやらないっていうのは(初単独ライブ開催以降)初めてのことだったので戸惑いましたけど、すべてのミュージシャンがそうなんやろうなって。ライブ開催記録が途絶えたミュージシャンは山ほどおるんやろうなと味方を見つけることで、心を落ち着かせていました。

後藤淳平(以下、後藤) 昨年もまったく人前でやっていないというわけではなかったので、その点についての不安はないですが、新ネタを一気にやる単独ライブをここまで開催できなかったのは初めてのこと。今はあの充実感を早く味わいたくてウズウズしています。

――ジャルジャルさんは単独に向けてかなり多くの「ネタのタネ」を作り、その中から厳選した10数本を毎回披露されているんですよね。

福徳 そうですね。最近は1回の生産量がさらに増えてまして、今回も150本作りました(笑)。

後藤 YouTubeに毎日1本「ネタのタネ」を配信するようになって、捨てるところがなくなったといいますか。今は増えれば増えるほどいいっていう状況ですし、多くのタネが生まれることによって(単独ライブのために)よりいいネタもチョイスできるようになりました。あと、ネタを作る時間の効率も上がりました。ちょっとした時間で10本くらい作るんですけど。

――10本!? アイデアが尽きることはないんですか?

後藤 その日の天気とかその場で横切った人とかをネタにしていく感じなので、アイデアが尽きることはないですね。

福徳 ホコリみたいな感じで、無限に出てきます。

――随分とライブ感のある作り方をされているんですね。そういう中で、単独で披露するネタ選びの基準はあるんですか?

福徳 毎回、僕らで絞った30~40本くらいを作家さんに見せて決めていきます。30~40本くらいに絞る基準は経験上としか言えないんですけど、人前で披露できるレベルのものを選んでいて。

後藤 今回も150本からの30~40本はすんなり決まりました。過去には、オマケみたいな気持ちで選んだものがメインになったこともあって。そういうときは、“このネタを強いと感じる人もおんねや”と思ったりもしましたけど(笑)。

福徳 ボツやろうなと思っていたものが選ばれたときは、ウソやろ? とは思いますよね。けど、そういうことはごく稀。今回も自分たちが選ばれるやろうなと思ったネタに、ほぼほぼ決まりました。

2021.04.29(木)
文=高本亜紀
撮影=松本輝一