彼女は、民間のコミュニティの力を結集し、政策を推進することに長けていた。vTaiwanを設立する過程でシビックハッカー団体のg0vと接触し、そこでタンや中心メンバーと知り合っており、社会問題に対する彼らの熱意溢れる姿勢に深く共感していた。後に、g0vの友人に対し、「私も法律のハッカーになりたい」とさえ話し、その一部を実現している。

 2016年、タンは蔡らの推薦により、シビックハッカーのDNAを携えて政府に参入し、大臣に就任した。

 タンは行政院の政委事務室、つまりかつての蔡の事務室に入った。こうした「身分の交換」のような偶然について、蔡は冗談交じりに、

「大臣がハッカーになり、ハッカーが大臣になるというのは、たぶん史上初でしょうね」

 と言った。

幼稚園と小学校に9カ所も通ったのは「毎年転校すれば、夏休みの宿題をしなくていいから(笑)」 “天才”オードリー・タンの子供時代とは へ続く

2021.02.17(水)