よりファッショナブルに! 台湾のメディカルマスク最新事情

 2020年4月12日(日)から12月22日(火)までの253日間、新型コロナウイルスの国内感染がゼロ件だった台湾。

 台湾では、1月末にマスクメーカーに徴収令を出し、政府がすべてのマスクを買い上げ、有償配給制度を整えて国民に販売していた。その後、国内生産能力の向上と感染拡大の収まりから、6月には有償配給制度と併行して、マスクの自由販売がスタートした。

 以降、人々は必要枚数の確保ではなく、より自分好みのマスクを求めるようになった。

 台湾のマスクメーカー・CSD中衛をはじめとする、ビビッドカラーのメディカルマスクが飛ぶように売れる一方、一般的な色合いの水色や薄黄緑色の商品は供給過多となり、箱マスクはどこへ行っても山積み状態に。価格も下落してしまう。

 そこで正統派メディカルマスクを生産していたメーカーも、カラーマスクの生産に乗り出し始めた。市場の様子をうかがうかのように、パステルカラーから徐々にアクセルを踏み込み、濃色へとシフトしていった。

 さらに、新規メーカーが多数参入し、鮮やかなプリントを施したメディカルマスクを発売。遊び心やファッション性を求める傾向がより強くなり、ビビッドカラー人気を凌駕する勢いで、派手派手プリントマスクが爆誕した。なかには大手メーカーがOEMの形でデザインマスク生産をサポートしている場合もある。

 プリントマスクは、ハロウィン、クリスマス、年末年始などの季節行事がある時期は、老若男女問わず、モチーフ入りマスクを楽んでいるのはもちろん、国慶節などのイベントでも記念マスクが製作され、政府要人も着用するほど。どこでも買えて、誰もが躊躇なく着けられる色柄もののメディカルマスクは、もはや台湾での日用品となっている。

 マスク先進国となった台湾には、色柄の目新しさを競うファッション性のほかに、もうひとつの潮流がある。それは、超がつくほど高性能なマスク、あるいは機能性重視のマスクだ

 折しも先日、国家マスクチームの一員である大手メーカー・台湾康匠による、口元を透明にしたマスクの開発&障害者施設への寄贈のニュースが日本でも報じられたばかり。いまや、各メーカーの課題は、安定供給のための生産量の向上から、ウィズコロナをより快適に過ごすためのマスク開発へと完全にシフトしている。

台湾における「メディカルマスク」の定義とは?

 さまざまな形で進化しつづける台湾製マスクは、SNSを中心に日本でも話題になりはじめているが、注意しておきたいことがある。

 台湾で一般醫用口罩(メディカルマスク)と呼ばれるものは、バクテリア濾過効率(捕集効率)を示すBFE値が95%以上、空気循環抵抗圧力差が5水柱ミリメートル/平方センチメートル以下の性能を持つもので、認証を得た商品は、CNS14774などの“CNS標章”を表示している。

 また、大前提として製造に際して“醫療器材許可證字號”を取得している必要もある。3層構造をうたう不織布マスクであっても、「防護口罩」と呼ばれているものなど、こうした基準をクリアしていないマスクも少なくなく、色柄だけに注目しがちな個人輸入の際には注意が必要だ。

 それに加えて、日本では台湾のような明確な基準がないため、日本で販売される際には、いずれも“不織布製のファッションマスク”というカテゴリーでの発売となる。

 そこで、“台湾製なら買いたい!”“こんな可愛いプリント柄が不織布のメディカルマスクだなんて!”というSNSでのコメントに応えるべく、日本でも買えるメイドイン台湾のメディカル&高性能マスクをリサーチ。

 これから紹介する4メーカーによるマスクは、いずれも安心品質の台湾製(MIT)メディカル&高性能マスク。飛沫防止対策ができるうえ、可愛くてお洒落なものを厳選してご紹介する。

 もうしばらく続くであろうマスク生活において、ちょっと特別感のあるマスクがあれば、外出時の気分が上がり、口元を覆い続けるストレスも軽減するに違いない。気になったマスクが見つかったなら、今すぐサイトへGO!

2021.02.12(金)
文=堀 由美子