フィルター効果がビジネス街の風景をドラマチックに演出!

 また、店内に入ると目に飛び込んでくるのが、向かいに建つオフィスビルの姿。

 高さ3.8mの窓越しに迫るグリッド状に仕切られた無機質な建物は、極めて現実的な光景ですが、うっすらとグリーンがかった窓ガラスによる、いわばフィルター効果によって、ドラマチックな風景にアップグレード。非日常感が高まります。

 現在はプレオープン中のため、すべての客が10Fに案内されますが、2021年春に予定されているグランドオープン後は、上下2フロアの役割を明確に分け、9Fはコース料理、10Fはアラカルトやアフタヌーンティーを楽しむフロアになります。

 一緒に行く人や目的など、TPOによって使い分けができるようになるのがいいですね。

高田裕介シェフの料理で旅先のようなエモーショナルな感動を

 料理は旅がテーマ。パートナーシェフに迎えた大阪「ラシーム」の高田裕介シェフが、THE UPPERの徳島 亨シェフとのセッションから生み出すのは、フレンチをベースに世界中の料理のエッセンスを取り入れたメニューです。

 旅先では、初めての体験にドキドキしたり、新しい発見にワクワクすることがたくさんあると思いますが、同様の感覚をテーブルの上の料理で味わえるのが、こちらのレストランの醍醐味となっています。

 例えば、ティアン・ド・クルジェットと呼ばれるメニュー。

 スイーツのようにも見えますが、そうではなく、フランス・プロヴァンス地方の伝統的な郷土料理ティアンを、アーティスティックに仕上げたひと品なんです。

 実は薄く切ったズッキーニを重ねて焼いたもので、間に挟んでいるのは、ハーブのタイムとにんにくを使った香り豊かなオイル。これが食欲をそそるんです。

 さらにミントとバジルを使ったグリーンソースをディップすることで、爽やかさや青くささが加わり、よりさっぱりと楽しむことができます。

 ほかにも鯉やなまずを食材として使用するなど、好奇心をかきたてられる驚きのメニューが続々登場する予定です。ぜひその深淵な食の世界を旅してみてはいかがでしょうか。

アート作品や音楽など、ディテールにも注目!

 さりげない存在ながら、空間に彩りを加え、THE UPPERの世界観に奥行きをもたらしているのがアート作品です。ぜひ店内の壁にご注目ください。

 そして、音楽はFPMこと田中知之氏が担当。時代やジャンルを問わず、高揚感にあふれた空間を生み出す選曲は、とっておきの楽しい時間をより印象深いものにしてくれるはず。


 ランチ、カフェ、ディナーとさまざまな使い方ができるTHE UPPERは、心地よい空間と驚きに満ちた料理によって、気分をぐんぐんあげてくれるレストランなのです。

THE UPPER

所在地 東京都千代田区丸の内1-3丸の内テラス9F、10F
電話番号 03-5962-9909
営業時間 ランチ 11:30〜14:30(L.O.14:00)、ティー 14:30〜16:00(L.O.15:00)、ディナー 18:00〜23:00 (コースL.O.20:30、フードL.O.22:00、ドリンクL.O.22:30)
定休日 日曜、祝日(日曜日が祝前日の場合は営業)
https://the-upper.jp/

2020.12.09(水)
文・撮影=石川博也