三谷さんの作品は、作品に対しても役者に対しても愛が溢れている

 現在放送中のドラマ「ルパンの娘」にて、正義感あふれる和馬役で活躍中の瀬戸康史さん。

 甘いマスクから、映像では真摯な男性役をやることが多いが、舞台ではとんでもなく振り切れた役をパワフルに演じており、ケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)、前川知大、河原雅彦ら数々の演出家に愛されている。

 そんな瀬戸さんが満を持して、三谷幸喜さん演出の舞台に初参戦! 三谷さんが最も敬愛するニール・サイモン『23階の笑い』に出演する。稽古が始まったばかりの瀬戸さんに、本作への心意気を語ってもらった。

――瀬戸さんは、今回『23階の笑い』で三谷幸喜さんと初タッグを組まれます。お会いになるのも初めてだったそうですね?

 プライベートな場所で一方的にお見かけしたことはあり、柔らかそうな方だなと思っていたのですが、今回初めてお話しさせていただいて、やっぱりお優しい方だなと感じました。

 作品に入る前は、ナイーブになることが多いですが、今回は偉大な三谷さんとやらせていただくプレッシャーよりも、楽しみのほうが大きかったですね。

――三谷さんの作品についてはどんな印象を持っていましたか?

 舞台も映画も、共通して愛があるなと思いながら観ていました。作品に対しても役者に対しても愛が溢れている。

 どんなに小さな役だったとしても、思いを込めて描かれていらっしゃると思います。

――たしかに、最初は嫌な人のように感じても、物語が進むにつれてチャーミングに見えてくることが多いですね。

 そうなんです。演じるほうとしては、気持ちが上がりますし、頑張ろうという気持ちになりますよね。

2020.11.22(日)
文=黒瀬朋子
撮影=榎本麻美
スタイリスト=田村和之
ヘアメイク=小林純子