化けない人は、美人になれない。
だいたいが、化粧は“化けて粧(よそお)う”と書く。つまりメイクは全編、目の錯覚を引き出す美人化け。たとえばあなたは、毎日アイラインを引いているだろうか? それはもっとも簡単に美人化けできるアイテム。どんな顔立ちもアイライン1本で美人のふりができるのに、そのツボを外す人は、化けることを忘れている。
つまり、美容の上手下手も、効く効かないも、また結果としてキレイになる人とならない人がいるのも、そこが分かれ道なのだ。ちゃんと化けているかどうか……。化けない人は、美人になれない。もっと言えば、ちゃんと考えて美容する人は、みんなちゃんと化けられる。
女は美容において、もっとズルくならなくては。ただストイックに規則正しく美容することが、キレイへの道じゃない。ズルく、悪賢く、人目を欺いてこそ、人より早くキレイになれる。それはまさしく美容脳を働かせることに他ならない。美容も知恵で行うものだという証。化ける美容は、頭のいい美容なのだって、あらためて気づいてほしいのだ。
ちなみに、美形じゃないのに美人になる人と、美形なのに美人に見えない人がいるような“大逆転”が起きてしまうのも、ちゃんと化けているかどうかの分かれ道。だから、美人になる人はどんどんキレイになっていく。美人そのものも進化させていく。“化ける”という究極の方法を知っているから、化けの皮がはがれないのだ。美人は美人に生まれるのじゃない。美人に化けるのだ。
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2013.03.07(木)
text:Kaoru Saito
photographs:Yasuo Yoshizawa / Aflo