高い天井、大きく開いた窓からの光─その昔、品質の高い紅茶を効率よく製造するためにつくられた建物は独特の美しさがあります。
古い街並みの大渓の街と併せて出掛けたい、小さなタイムトリップ。
自然と機能の美を 目に焼き付けて
紅茶工場「大溪老茶廠」
![大溪老茶廠の屋内萎凋エリア。“萎凋”とは紅茶を風通しのいい場所で発酵させること。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/9/b/-/img_9b495c8f5cbfe4c27d942848e4c51400168806.jpg)
台北市街から大渓の街へ、車で1時間ほど。さらに山深い場所に進むと突如紅茶工場が現れる。
![工場を囲む山々。現役の茶畑もこの中にある。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/4/2/-/img_425a000a95fcbec7d6695e8a5bbe948d219508.jpg)
緑に包まれた建物に一歩入ると、グラフィカルで美しい風景。
紅茶や茶器などを売るショップで、無機質な空間に無駄のないデザインの茶缶などが映える。
![白い缶に入ったお茶は自社の紅茶。「蜜香紅茶」70g 460元。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/d/f/-/img_df84f5ab7b0e5d1e24340e7b4f240978185637.jpg)
ここは1926年に建設され、日本統治時代には、おなじみ「日東紅茶」の工場としてもフル稼働していた台湾きっての紅茶工場だった建物。
現在も、生産量は減ったものの、実際に動いている現役工場だ。
![1Fのカフェ「茶書屋」。窓の外にはデッキと水盤「靜水池」が静かに広がっている。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/6/d/-/img_6dcfc1a4d730c53ad014eca71b677ede93063.jpg)
ほとんど手作業だった紅茶づくりのためにさまざまな工夫があり、風をたっぷりと通すために90度開く窓や高い天井、巨大な空間を支えるむき出しのトラス(三角構造で支える梁)など、建築として興味深いだけでなく、その機能美に圧倒される。
![上から時計回りに:「特製ブラウニー」90元、「自社蜜香紅茶」290元、「茶葉見本」、「特製甘茶ゆで卵」50元。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/8/4/-/img_84c3ec151288c5fff96e2a9e3b58782e132846.jpg)
時を超えたような不思議な空気に包まれる場所は、旅のアクセントになるだろう。
大溪老茶廠(ダーシーラオチャチャン)
所在地 桃園市大溪區新峰里1鄰復興路二段732巷80號
電話番号 03-382-5089
営業時間 10:00~17:00、土・日・祝 10:00~17:30
定休日 無休
料金 100元
https://www.daxitea.com/
※1台湾元=約3.6円
※時差=-1時間
※国番号=886
※夏季、年末年始、旧正月などの営業は各店にお問い合わせください。また、それ以外の営業時間や定休日なども、現地の状況に応じて変更の可能性があります。
※店舗・施設によっては税金・サービス税が加算される場合があります。
※ショップデータ内のクレジットカードの表記は、すべてのカードを使用できない場合のみ「カード不可」と記入しています。
※掲載のデータはすべて2020年3月26日現在のものです。
![](https://crea.ismcdn.jp/common/images/blank.gif)
2020.05.18(月)
Photographs=Tamon Matsuzono
Coordination=Mari Katakura
CREA 2020年5月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。