星野源とSAKEROCKを結成した“あの俳優”も

 こうした和光のミュージシャンの系譜は現在にいたるまで続いている。OKAMOTO'Sも先述のハマ・オカモトを含むメンバー4人は和光中学で出会った。

 姉妹による2人組ユニットのチャラン・ポ・ランタンも鶴川小・中学・高校と和光学園で学んでいる。

 俳優としても活躍する元SAKEROCKのメンバーで在日ファンクの浜野謙太、元Goose houseでシンガーソングライターの竹澤汀は和光大学卒業だ。

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 和光高校の文化祭では、審査を通ったバンドだけが出場できる“オン・ステージ”というコンサートがあり、さらにそこでの投票で1位となったバンドは文化祭の閉会式で全校生徒の前で演奏できる。

 小山田圭吾やOKAMOTO'Sはこのオン・ステージの常連だった。小山田のバンドは当時より人気で、他校からギャラリーが押し寄せるほどだったとか(※7)。

 OKAMOTO'Sは高校3年の文化祭で優勝し、閉会式ではメンバー全員が女装してガールズバンドSCANDALの楽曲をカバーして、会場を沸かせたという(※8)。

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 浜野謙太は大学時代に、自由の森学園高校で一緒だった星野源らとSAKEROCKを結成し、プロへの一歩を踏み出している。

 和光大学の人間関係学科で学んだ浜野の卒論は、トイレをテーマにしたユニークなものだったとか。

 2018年のインタビューでは、子供を和光幼稚園に入れ、自身も園児の親たちの集まる勉強会やサークルに参加していると語っていた。

「僕は読み聞かせサークルに入っていて、絵本を読んで聞かせるんですよ。

 まだちょっとしか出来ていないんですけど、サークルに入っていると、勉強会・座談会をやりますとか、小学校の図書館の先生をお呼びして、話を聞いてみるとか、それがすっごい面白くて、うちの妻も結構燃えて色んなサークルに顔を出しているんですけれど。

 みんな学びたいんだなぁって思いますね」(※9)

 子供だけでなく、親もともに勉強に熱中する。そんなところも和光学園の魅力なのかもしれない。

※1「卒業生インタビューvol.30 渡辺裕太さん」(和光学園HP)
※2「卒業生インタビューvol.34 柄本時生さん」(和光学園HP)
※3「公立校にはない自由な校風が個性を生む? “変わった学校”に通っていた売れっ子芸能人たち!」(「日刊サイゾー」2018年2月23日)
※4「卒業生インタビューvol.31 宮川彬良さん」(和光学園HP)
※5 三枝成彰「理想の学校」(『文藝春秋』2006年11月臨時増刊号)
※6「インタビュー 戦後教育史のなかの和光学園01 繁下和雄『新学校の音楽教育と私の仕事』」(『和光大学総合文化研究所年報「東西南北」2011』)
※7「小沢健二、小山田圭吾、田島貴男を生んだ『和光学園』=インディーズ文化の不思議なパワー」(『Views』1996年2月号)
※8 オカモトレイジ「OKAMOTO'Sヒストリー」(OKAMOTO'S HP)
※9「卒業生インタビューvol.42 浜野謙太さん」(和光学園HP)

※こちらの記事は、2020年4月15日(水)に公開されたものです。

記事提供:文春オンライン

2020.05.05(火)
文=近藤 正高