もはや現代病ともいえる眼精疲労。ひどくなると辛い頭痛などにも繫がってしまうから、早めの対処を心がけたいもの。
オフィスでも自宅でも、気付いたときにすぐ押せて、効き目も抜群のツボについて、美容鍼灸サロン「銀座ハリッチ」代表の川辺奈穂(かわべ なお)さんに教えていただきました。
眼精疲労を一掃! いつでも簡単ツボ押し
日頃から、目を酷使せざるを得ない環境にいる現代人。
「目の疲れやドライアイ、クマなどの悩みを持つお客様が多いです」と、美容鍼灸サロン代表の川辺さんは話す。
その原因は「パソコンやスマートフォンの使い過ぎはもちろん、全身の冷えやダイエットも目のトラブルに繫がるんです」というから驚き。体の血流が悪くなることで、目に負担がかかってしまうのだそう。
そこで手軽に取り入れたいメソッドが「ツボ押し」。入浴後など体も心もリラックスしているタイミングが効果的だけれど、いつ押してもOK。深呼吸をしながら、息を吐くときに押すイメージで。
「何秒、という決まりはありません。イタ気持ちいい程度の力で行いましょう。また、目の症状により効果的なツボは異なります。悩みに合わせて選び、気軽に始めてみてください」(川辺さん)
1. 眼精疲労対策の定番。辛いときはいつでも
「睛明(せいめい)」は目頭の内側のくぼみ。「攅竹(さんちく)」は眉頭のすぐ下にある深いくぼみ。眼精疲労はもちろん、充血やドライアイ、目のかすみなどにも効果あり。
睛明は両人差し指で鼻を挟みながら頭を下げ、攅竹は肘をデスクにつくなどして頭の重さを利用しつつ中指でプッシュ。
2. 後頭部に重さや痛みを感じたら
「風池(ふうち)」は、後頭部の髪の生え際で、頭を支える僧帽筋の外側の位置。目の疲れからくる、後頭部のどんよりした重さを感じたときに。
両手の中指をツボの位置に当てたまま上を向き、頭の重みを利用してツボ押しを。目の神経が集まっている箇所なので、なるべく冷やさず温めて。
3. 目もとがどんより重いときは ふくらはぎを揉む
会社でのデスクワークなど、同じ姿勢を続けていると血流が悪くなり、目もとの重さやクマ、ドライアイなどのトラブルに。
座りっぱなしのときには、足の爪先を上下させたり、ふくらはぎを軽く揉むようにマッサージを。
4. 集中し過ぎで充血しているとき
とても強力なツボの「太衝(たいしょう)」。位置は、足の親指と人差し指の骨が交わるところの少し手前、脈が触れる位置。
パソコン作業やスマホの見過ぎなどで目を酷使したとき、何かに集中してストレスを感じているとき、そして目が血走っているときにはここをプッシュ。
2020.04.01(水)
Text=Noriko Masumoto(alto)
Photographs=Hirofumi Kamaya
Illustrations=Haruka Toshimitsu