洗濯槽はモラクセラ菌の温床。1カ月に1回は洗浄して
●洗濯槽が汚れていると菌が服につく
準備として必ずやってほしいことが、もうひとつあります。
洗濯の環境を整える。つまり、洗濯槽の洗浄です。
いい洗剤を使って、正しい洗い方をしているのに、部屋干しすると臭う……。そんなとき、まっさきに疑うべきは洗濯槽の汚れです。
臭いの原因となるモラクセラ菌などの雑菌は、洗濯槽の裏側に住みついています。洗濯機で洋服をキレイにしているつもりが、かえって菌を服につけているとしたら悲しいですよね。
せっかく洗剤にこだわっても、洗濯槽が汚れていたら効果は発揮されません。
とくに湿気の多い春夏は菌が繁殖しやすいので、必ず月に1回は洗濯槽の洗浄をしてください。秋冬は3カ月に1回くらいでも大丈夫です。
さらに、次のような人は別の汚れも付着しやすいので、まめにメンテナンスしましょう。
・洗濯せっけんを使っている
せっけんと水の鉄分が結びついてカスになり、洗濯槽にへばりつきやすい傾向があります。
・柔軟剤を使っている
柔軟剤は粘度が高いので溶けにくく、やはり洗濯槽にこびりつきます。
・ドラム式洗濯機を使っている
ドラムの中で叩き洗いするので糸くずが出やすく、これも洗濯槽を汚します。やり方は、市販の洗濯槽クリーナーの表示に従ってください。
それでも臭うときは「高級アルコール系」を選ぶ
それでも、どうも効果がいまひとつだ、と感じる場合は、「高級アルコール系」と書かれたクリーナーを探してみてください。これはクリーニング屋も使用するプロ仕様です。
一般のクリーナーは酸素系漂白剤を泡状にして菌を攻撃し、死滅させます。ところが、菌は死んでもそのまま洗濯槽の中に残っています。
洗濯機のメンテナンス会社の人に聞いた話ですが、定期的に洗濯槽を洗浄していても、洗濯槽の裏側を見るとひどく汚れているそうです。
結局、菌が残っていれば、また臭いは戻ります。洗浄直後はよくても、2日もするとまた臭くなるというのはこれが原因です。
それに対して、高級アルコール系のクリーナーは、菌自体をはがし落とす効果があります。モラクセラ菌や黒カビの菌、洗剤の固まりや汚れの残留物を根こそぎ溶解して、洗濯槽に残しません。
洗濯用の中性洗剤に高級アルコールを配合して、洗濯槽の臭い対策をうたっている製品も登場しています。
ただ、アルコールの比率が高いと生地がゴワゴワになってしまうので、洗い上がりの風合いを吟味して、選ぶようにしてください。
とにかく、洗濯槽は、ぜひ定期的に洗浄しましょう。
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茂木貴史(写真左)、茂木康之(中央)、今井良(右)の3人で結成し、毎日の洗濯を楽しくハッピーにするための活動をするプロ集団。横浜でクリーニング店「LIVRER YOKOHAMA(リブレ ヨコハマ)」を経営するかたわら、劇団四季や国内外の有名アーティストの衣装クリーニングを行う。また、オリジナルのナチュラル洗剤を開発し、好評を博している。
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