部屋干し臭がなくなり、アイロンがけの手間が減り、服が長持ちする! ズボラでもできる、簡単な洗濯術とは?
有名スターの舞台衣装のクリーニングを任せられている「洗濯ブラザーズ」の著書『日本一の洗濯屋が教える 間違いだらけの洗濯術』(アスコム)よりご紹介。
全自動からマニュアル設定にすると 洗濯の質が変ります
●「洗い」と「脱水」の時間を設定し直そう
「洗い」と「脱水」の時間を、設定し直してみましょう。
ふだん洗いの場合、タテ型洗濯機なら、洗い 8~10分→水量多めですすぎ 2回→最後の脱水 3~5分を基本にしてください。
ドラム式洗濯機なら、洗い 20分→注水すすぎ 2回→最後の脱水 3分を基本にします。
じつは、クリーニング屋でも家庭と同じ洗濯機を使うことがあります。ただし、全自動ではなく、昭和の遺産のような二槽式タイプです。
これは、設備投資を節約するためではありません。
昔ながらの二槽式の洗濯機のほうが、手動であれこれ設定しやすいからです。
ボクたちプロは、洗濯物一枚一枚、使われている繊維や装飾、デザインの複雑さに合わせて、最適な設定で最高の洗い方をします。
ボクたちは、洗濯1回ごとに、本当に1枚しか洗いません。そのつど、洗い、すすぎ、脱水の時間を手動で変えています。
全自動洗濯機がオートマ車だとしたら、二槽式はマニュアル車。車好きが走りを追求するように、ボクたちは洗いを追求しています。
ご家庭でも二槽式洗濯機がおすすめ、とまでは言いませんが、全自動の基本設定通りでなく、ちょっとアレンジしてみると、洗濯の質が変わります。
とくにドラム式は汚れの落ちがよくないので、洗いの時間を大幅に長くすることで、そのデメリットを解消します。
もちろん、すすぎの水を多めにするのも忘れずに。
●脱水時間を短くして得られる2つのメリット
そして、もうひとつ大切なのは、脱水の時間です。これは、どちらも短めにします。
理由は大きく2つあります。
まず、脱水をしっかりしすぎるとシワになりやすいことが挙げられます。脱水時間を短くするだけで、アイロンがけが不要になる服がたくさんあります。
もうひとつの理由は、布地を傷めないためです。脱水によってタオルのパイルなどはどんどん飛び抜けてしまいます。
たとえば「8,000円もした高価なタオルが3カ月でゴワゴワになってしまった……」といった嘆きの声をよく耳にします。
洗濯機の設定を変えるだけで、汚れが落ちやすくなり、服を傷めずに長持ちさせることができるのです。
最近の洗濯機は、自分好みの設定を記憶させておくことができる機能もついているので、ぜひ活用してください。
2020.03.09(月)
文=洗濯ブラザーズ