京都で嫌がらせプレゼントとして探したことに端を発して、名所のイラストに地名がデカデカとプリントされた「観光地Tシャツ」をコレクションしているわけですが。

 では、これをどこに行けば買うことができるのでしょう。それは、前回の京都駅・近鉄名店街がヒントになっています。

・時代に取り残されてそうなエリア。
・オバチャン(オバアチャン)が一人でやっている。
・どこか薄暗い感じがする。

――この辺りは、重要なキーワードになってきます。

 商売っ気のある土産屋、若い人たちにもウケようという土産屋は、売っているTシャツも、残念ながら観光地Tシャツも、変にオシャレだったり可愛かったりします。特に最近はご当地ゆるキャラがフィーチャーされたものが多い。由々しきことです。

 その点、先に挙げたキーワードの店は潔い。昭和のセンスのままの店舗で、今の流行なんて気にしていない。なので、売られているTシャツも堂々としています。

 たとえば大阪。大観光地ですが、納得のいくTシャツを売っていたのは一軒だけでした。それは千日前商店街の路地裏にある土産屋。タコのイラストがデカデカとあり、そこに「大阪」と書かれています。素晴らしい。

 金沢の兼六園も、なかなかです。かなり賑わった観光地ですが、若い人は少なく年配者と外国人が中心なので、土産屋もいい具合にくたびれています。

 その一軒に大きく飾られていたのが、金の文字で「金沢」と前面にプリントされ、その下に兼六園のイラスト。ときめきました。

2019.09.28(土)
文・モデル=春日太一
撮影=佐藤 亘