台湾には石鹸ブランドがいっぱい
迷ったときは「大春煉皂」を!

 ここ数年、台湾では健康に対する関心が高まり、ナチュラル系の食べ物やスキンケア商品などが次々に登場しています。特に石鹸については天然成分由来のブランドが数多く誕生し、どれを購入するべきか迷ってしまうほど。そんななか、質、デザインともにおすすめしたいのが、ここ「大春煉皂」です。

 今、最も注目されている大稲埕エリアに店舗はあります。オーナーの李國榮さんは三代目で、一代目はもともとここで雑貨店を営んでいました。

 当時、近くには日本人が営む石鹸工場があり、日本人が引き揚げる際に工場の設備を引き継いだとのこと。その後、工場は郊外へ移転し、経営規模を拡大。有名ブランドの代理製造を請け負っていました。

 李さん自身、以前は別の仕事をしていましたが、「祖父や父親が培ってきた技術を活かし、オリジナルのブランドを創りたい」と願うようになり、新たなブランドを立ち上げました。そして、2017年1月にこの地で開業。店内にはブランドヒストリーを伝える文物が随所に展示されています。

 その一つが壁に架けられた古時計。これは一代目が成績優秀な販売店にプレゼントしていたもの。李さんが開店準備をしていた際に、偶然にもこの時計が飾られている鍵屋さんを発見。聞けば、店主のご両親がかつてその販売店を営んでいたとのこと。これをきっかけに、時計は再び李一家の元へ。「祖父からの開店祝いだったのかもしれません」と李さんは笑顔で語ってくれました。

 ここの石鹸が人気なのは、植物性オイルを用い、防腐剤を使用していないからだけではありません。機械で成型しているので、崩れにくく、長い間使えるというのも大きなメリット。また、研究開発に時間をかけているため、品質も安定しています。

 さらに、素材やパッケージに台湾らしさが強調されているので、お土産にも喜ばれそうです。種類も豊富なため、自分の肌質や好みに合った成分と香りを選びましょう。

2019.09.12(木)
文・撮影=片倉真理