腸内環境を整え
有害ミネラルをデトックス

 ミネラルというと浮かぶのはカルシウム、亜鉛、鉄……?

「ミネラルは骨や歯、血液中のヘモグロビンの構成成分となります。また、体の体液のpHやその量のバランスを保ち、気分を安定させる作用のある各種ホルモンを作る役割も担うなど、微量ながら重要な働きをしますが、体内で作ることができず、食事から摂る必要があります」

 そう話すのは、医学と栄養学が連携する重要性を説き、クリニックの治療でも実践しているホリスティキュア メディカルクリニックの登坂正子先生。

「私たちは食品を食べると消化(分解)、吸収して生きていくために体にとって必要なものを再合成し、同時に不要なものを体外に排出する新陳代謝を行いますが、それぞれの場面で酵素が必要不可欠です。この酵素と結合して、その機能をスムーズに働くようにしてくれるのもミネラルです。ミネラルが不足すると、髪や皮膚、骨や歯、血液、ホルモンも正常に作られなくなってしまいます」

 クリニックには、疲れやすかったり、意欲がわかないなどの心身の不調を訴える人や、髪や肌のトラブルに悩む患者さんが訪れる。

「みなさんの体内ミネラルの数値を測定すると、バランスがくずれている状態が見られます。特に多いのは、亜鉛不足の女性で、髪や肌のトラブルに悩んで来られます」

 亜鉛は、300種類以上の酵素の働きを助け、新陳代謝を促し、味覚を正常に保ち、皮膚や髪の健康にも関わるという。

「亜鉛不足には、牡蠣やレバー、煮干し、大豆類、グリーンアスパラガスなどを食べるように心がけましょう。ベジタリアンの人は不足しがちですが、サプリメントなどで摂り過ぎると銅の吸収が妨げられるので注意が必要です」

 不足すれば、体の機能を維持できず、摂り過ぎれば、バランスがくずれ、他のミネラルの吸収や体内での作用に悪い影響を及ぼすこともありうる。

 微量なミネラルバランスを日常でどのようにコントロールしていけばいいのだろう?

「まず1つ目は、当たり前のことですが、さまざまな食品をバランスよく食べるようにすること。2つ目は、体を潤滑に稼働させるために腸内環境を整え、消化吸収力を高めること。3つ目は体内の有害ミネラルが蓄積されないようにデトックスすることです。有害ミネラルを排出するためには、腸内環境が重要な働きをします」

 排出は、便や尿、汗、毛髪、爪などを経由するが、便からの排出が75%という割合で行われる。

 腸内環境を整え、便通をよくすることが、デトックスのいちばんの近道となる。

 腸の粘膜が健康なら、有害ミネラルも通しにくくなるという。

「快便のためには、食物繊維の多い物や水分を十分に摂り、にんにく、にら、長ねぎ、玉ねぎなど老廃物の排出を促す『硫化アリル』を多く含む野菜を、食事に一品プラスしてみましょう」

 さらに、腸に届く前の消化・吸収力アップのために、レモン水を飲みながら食事をするのもおすすめ。

 150~200ミリリットルの水にレモン4分の1個分のしぼり汁が目安。たんぱく質の吸収もよくなり、胃の酸性度も補ってくれるのだとか。

 夏に向け体の大掃除を始めよう。

2019.05.04(土)
Text=Kaoko Saga(Lasant)

CREA 2019年5月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

久しぶりに、沖縄。

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遠く青く澄んだ海にふりそそぐ陽光、どこからか聞こえる三線の響きに、うちなー言葉。日射しを避けてカフェで読書したり、ドライブインから海を眺めたり、〆ステーキに挑戦してみたり……久しぶりの沖縄は、なんだか新しくてでもどこか懐かしい、旅人たちが元気になれる場所でした。沖縄のお気に入りを詰め込んだ保存版です。