寒さも本番、鍋ものが恋しい季節です。和風からエスニックまで鍋料理は色々とありますが、今回ご紹介するのは、冬の味覚がてんこ盛りの具だくさん鍋です


「随園別館」の
酸菜火鍋
~満州風漬け物の和え寄せ鍋

●推薦人:
小宮山雄飛さん

酸菜火鍋~満州風漬け物の和え寄せ鍋 4,000円(税別)。
酸菜火鍋~満州風漬け物の和え寄せ鍋 4,000円(税別)。

 僕がおいしいもの好きになったルーツは父にあります。身内で言うのもなんですが、父は昔から相当なグルメで、外での食べ歩きはもちろん、家での料理の腕もかなりのもの。

 特に鍋は得意料理で、出汁となる昆布を築地の専門店に買いに行くところから始まり、具材ももちろん専門店で購入し、つけだれのポン酢まで、生の柑橘類と醤油を使って自分で作る徹底ぶり。

 そんな訳で、小宮山家では鍋だけは外で食べたことがありませんでした(父のが一番おいしいので!)。

左:野菜の五目炒め卵焼きかけ 1,200円(薄餅1枚 50円)。東北地方の家庭料理で、前日の残りものを炒め、卵焼きをのせたものがルーツだとか。甘い中国味噌をつけて食べる。
右:水餃子10個 800円。豚バラとキャベツのシンプルな水餃子は味がしっかりついているのでそのままでもOK。黒酢&山椒の特製タレにつけて味変も楽しめる。
左:野菜の五目炒め卵焼きかけ 1,200円(薄餅1枚 50円)。東北地方の家庭料理で、前日の残りものを炒め、卵焼きをのせたものがルーツだとか。甘い中国味噌をつけて食べる。
右:水餃子10個 800円。豚バラとキャベツのシンプルな水餃子は味がしっかりついているのでそのままでもOK。黒酢&山椒の特製タレにつけて味変も楽しめる。

 しかし、そんな父が「ここの鍋はおいしい」と、当時小学生の僕を連れて行って食べさせてくれたのが、隋園別館の「満州風漬け物の和え寄せ鍋」。

 白菜の漬物を使った独特の酸味が特徴で、タレもニラの花と紅腐乳をベースに果物なども混ぜてあるらしく、さすがの父もこれは作れなかったでしょう(笑)。

 家では鶏の水炊きや豚肉のしゃぶしゃぶなどシンプルな鍋が多かったので、こちらのように渡り蟹・牡蠣・海老・豚肉などなど具材が沢山入っているのも衝撃で、子どもながらに「すごい鍋だ!」と感激しました。

 いかにも昔ながらの中華料理屋さんらしく、広くて開放的な店内も賑やかで楽しく。

 親戚と大人数で行くことも多かったので、みんなでワイワイと、肉に魚介に野菜と、沢山の食材が詰まった鍋をつつくのはとても楽しく、冬になると毎年のように通ってました。

 それこそ具材以上に想い出が沢山詰まった鍋です(うまい!)。

随園別館
新宿本店

所在地 東京都新宿区新宿2-7-4
電話番号 03-3351-3511
営業時間 ランチ 11:00~15:00 L.O.、ディナー 17:00~22:00 L.O.、金・土・日・祝日 11:00~
定休日 無休
価格 Lunch 700円~、Dinner 3,000円~
カード OK(Visaのみ)
席数 テーブル150席
おすすめの人数 できれば数名で
※酸菜火鍋は3~4人前。創業55年の北京料理店。お昼時はテイクアウトの日替わり弁当 500円に行列ができる人気ぶり。店内のランチもバラエティ豊かに揃う。

2019.02.16(土)
Text=Yuhi Komiyama
Photographs=Nanae Suzuki

CREA 2019年1月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

居心地のいい部屋。

CREA 2019年1月号

巣ごもりしたくなる、幸せ
居心地のいい部屋。

定価780円

好みや条件は人ぞれぞれでも、「このままずっとこもりたい……」と思えるような部屋だと、結構幸せな気がします。キーワードは「居心地のいい部屋」。お宅拝見からアイテム選びまで、新しい年を気持ちのいい部屋で迎えるヒントが詰まった1冊です。