vol.07 CHANEL(シャネル)
「コード ココ」の時計
ジュエリーや時計は「着替える」のではなく、いつも同じものをしている人がいてもいい、というのが私の持論です。朝から晩まで、どんなシーンでも同じものをつけて、肌の一部のようにするりと馴染んでいるのは、すごく素敵だなぁと思うのです。そして、シャネルが作る時計は、まさにそんな女性にぴったりだと思います。
いつも斬新なアイデアに溢れていて、新作が出るたびに感嘆させられるシャネルの時計ですが、今回もそう。ブランドのアイコニックなバッグに着想を得たバックルモチーフがケースのセンターにあしらわれたデザインに、“やはりモード界の王者が作る時計は違う”と嬉しくなりました。
キルティングパターンをモチーフにしたブレスレットタイプで、どこかマスキュリンなこの時計を、あえて風に舞うようなドレスに合わせたのは、どんなシーンの、どんな洋服にもフィットすることを伝えたかったから。
例えば黒いニットにデニムというカジュアルな装いにも、こんなフェミニンなドレスにもしっくりくる。この幅の広さこそが、「スタイルのある時計」たるゆえん。そして、シャネルの時計をしていると、必ずエレガンスがふわりと香り立つような気がするのです。
メゾンのコードがつまった新作「コード ココ」。バッグのように、バックル部分を縦横に回して楽しむことができるデザインに、「カチリと小さな音がして、手首で小さくバックルを回す仕草には色気がある。そんな演出もシャネルならでは」と伊藤さん。
伊藤美佐季(いとう みさき)
ジュエリーディレクター、スタイリスト。フィレンツェに遊学、帰国後スタイリストに。つける人の個性を活かしたスタイリングは、女性誌のほか多くの女優からも支持が厚い。ジュエリーに関する講演などでも活躍。
Column
伊藤美佐季のSource of yourself
ジュエリーディレクターの伊藤美佐季さんが指南する、大人のためのジュエリーの選び方と、つけ方のエッセンスを連載でお届けします。
2017.10.15(日)
styling=Misaki Ito
photographs=Masami Naruo(SEPT)
make-up=Tomohiro Muramatsu(sekikawa office)
hair=KENICHI FOR SENSE OF HUMOUR
text=Miwako Yuzawa