「酸っぱ臭いスープ」「ぶつ切りの白い麺」
不思議な出で立ちの理由は?

 そんな圧倒的人気を誇るアッサムラクサ。ではどんな味なのでしょうか。

ペナン島で大人気の店「Penang Air Itam Laksa(ペナン・アイル・イタム・ラクサ)」のアッサムラクサ。茶色いスープの下には、米粉から作られたつるんとした白い太麺が隠れている。
タマネギやミントハーブなどがトッピングされ、酸味に加えて、鼻から抜けるようなスーッとした味わいもある。レンゲに盛られたエビを発酵させた茶色いソースをスープに混ぜていただく。

 マレー語で「アッサム」は「酸っぱい」の意味。まさに「酸っぱいラクサ」であるアッサムラクサ。特徴は何と言ってもそのスープの味と香り! エビや魚の出汁から作るスープに、サバやアジなどの魚を茹でた後、その身を細かくほぐして加えます。この時点で、結構とろりとした食感のスープとなっています。酸味たっぷりのタマリンドの搾り汁とチリを加えることで、辛くて酸っぱいスープの完成となります。

 麺は米粉から作られる直径3~4ミリほどのぷりっぷりの白色の太麺が主流です。

 独特の香りのスープとつるんとした麺のハーモニーがたまらないアッサムラクサ。特にスープは、正直「ちょっと匂いが苦手……」と敬遠する方もいるのですが、好きな人にはこの「臭さ」こそがたまらない味であり、多くのマレーシア人に愛されている理由のひとつでもあります。

ブツブツと短く細切れ、かつ、つるんとしているため、レンゲやスプーンで麺とスープを一緒にすくって口に運ぶのが現地での食べ方。

2017.01.27(金)
文・撮影=三浦菜穂子