繰り返し食べずにはいられない一品!

メニューのみならず、その人の「史上最多ごはん」との出会い、そしてともに歩んできたライフヒストリーなども味わい深い。

 自分史上最多ごはん。それは文字通り、これまでの人生で、最もたくさん食した料理のこと。ただし、自宅での食事ではなく、特定の店の、特定のメニューを指す。

 あらゆるジャンルの食通75人が、繰り返し食べずにはいられない偏愛メニューについて明かした、ユニークなレストランガイド『自分史上最多ごはん』が、今、話題を呼んでいる。

 この一冊は、マニアックな気質と比較的丈夫な胃袋で名を馳せる偏愛系フードライターの小石原はるかさんが、「BRUTUS」に連載してきた人気コラムをまとめたもの。

 小山薫堂さんの最多ごはんは、麻布十番「洋食屋 大越」の“ハンバーグ+白スパゲティ”。分刻みのスケジュールに追われる現在でも、必ず月1~2回は訪れているが、最盛期には週3回も通っていたというから、その溺愛ぶりが窺い知れる。

和食、洋食、中華、エスニック、スイーツなど、ジャンルはさまざま。巻末には地図も載っているのでとても便利。

 酒場詩人としておなじみの吉田類さんの場合は、国立「うなちゃん」の“鰻重”。先々代の店主の頃から30年ほどお世話になっているこの店の鰻重は、味がよいのに値段が安いのだとか。ゆえにもちろん行列は必至!

 グルメアプリ「TERIYAKI」のプロデューサーとしても名を馳せる食通、堀江貴文さんが最も頻繁に訪れた店は渋谷「すし菊地」。そして最多ごはんは“かわはぎの刺身”。かわはぎの肝を溶かした肝醤油をつけて食べる刺身は、まさに感動ものだという。

 その他にも、倉本康子さん、土井善晴さん、為末大さん、北方謙三さん、赤江珠緒さん、マッキー牧元さん、行正り香さんといった個性豊かな面々が、愛してやまないメニューについて語っている。

 尋常ならざる愛と熱量にあふれたこのグルメガイド、ハンディな新書サイズなので、常にバッグにしのばせてくのももいいかもしれない。さて、あなたの自分史上最多ごはんは?

『自分史上最多ごはん』

小石原はるか・著
発行 マガジンハウス
定価 1,000円(税抜)

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2016.09.21(水)