ジュエリー制作の工程を実体験

金属製のパピヨン。これを研磨し、穴の部分には、石に見立てた木の実を施す。

 後半の2時間は、ジュエリー制作の工程を実体験。金属をパピヨン型に研磨し、実際の石に限りなく質感が似ている木の実をセッティングし、仕上げを施す。工房を再現した机に座り、実際にヴァン クリーフ&アーペルの職人達が使うのと同じ工具が配られる。

ヴァン クリーフ&アーペルの工房で使用しているのと同じ工具を使用。

 熟練した職人でもある講師と一緒に、削ったり磨いたり。思いのほか力が要る作業で、かなり難しい。上手くできずにまごまごしていると、先生がさっと手を差し伸べて、笑顔でアドバイスをくれる。こんな風にモノを作るのは、もしかすると初めてかもしれない。最後に、裏側に自分のイニシャルを彫ってフィニッシュ。漆のパピヨンと、木の実がついたパピヨン。これらは、かけがえのない思い出として、持ち帰ることができる。

金属の周りを削る作業は、思いのほか力が要る。
蝶の羽の部分に、模様を施す。
石に見立てた木の実を削り、金属に埋め込む。

 ふたつの講義を受けた後、立派なディプロマを受け取って講義が終了。たった4時間ではあったものの、宝飾品作りの舞台裏を、実際に体験することができて大満足。優秀な講師の方々のおかげで、初めてにもかかわらず、自分でも驚くほど美しい2頭のパピヨンを作ることができた。

受講後には、名前入りのディプロマが手渡される。自分で作った2頭のパピヨンはお土産に。

 このセッションを受けることで、ジュエリーは単なる装飾品でなはなく、文化をつなぐものであることを実感した。最高の講師の方々がくださった、極上の体験。もしも次また東京でセッションが行われることがあるなら是非参加したい。いや、いつかヴァンドーム広場で講義を受けるためにパリに行くのもいいかも……そんな夢を抱かせてくれたセッションだった。

ヴァン クリーフ&アーペル ル デスク
フリーダイヤル 0120-10-1906
URL http://www.vancleefarpels.com/jp

レコール ヴァン クリーフ&アーペル
URL http://www.lecolevancleefarpels.com

2016.07.12(火)
文=湯澤実和子
撮影=佐藤 亘