VAN CLEEF & ARPELS (ヴァン クリーフ&アーペル)
「ヴィンテージ アルハンブラ」のネックレス
私が「アルハンブラ」を最初に知ったのは、20代の頃。ある女優さんがしているのを見て、その成熟した美しさに感激し、こんな女性になりたいと思ったのを今でも覚えています。それ以来、「アルハンブラ」は、大人の女性を象徴するものとして、私の憧れのジュエリーになりました。
約50年という長い歴史を持つ「アルハンブラ」。今では、素材やサイズなど、たくさんのバリエーションが登場しています。「アルハンブラ」の最大の魅力は、素材により表情が変わること。同じモチーフでも、地金の色と石の組み合わせによって印象が一変するのです。
特に私が気に入っているのが、レターウッドを使用したネックレス。もともとウッドは、石にはない独特のブラウンとマットな質感が好きで、いくつかジュエリーを持っています。これは、ピンクゴールドとの組み合わせがまろやかで、肌や服にも馴染みつつ、さりげなく輝く感じがとてもシック。繊細な輝きを注意深く重ねていくことで得られる洗練──何気ないけれど綺麗な印象は、そんなジュエリー遣いによって生まれるのです。
1968年に誕生して以来、メゾンのシンボルとして変わらぬ人気を誇る「アルハンブラ」コレクション。ゴールドビーズで縁取られた幸福の象徴が連なるネックレスは、シンプル好みの辛口スタイルの人にこそ試してほしいアイテム。
伊藤美佐季(いとうみさき)
ジュエリーディレクター。30代でイタリアに遊学、帰国後、スタイリストに。ジュエリーや洋服のスタイリングのほか、ジュエリーに関する講演なども行う。
Column
伊藤美佐季のジュエリーのある人生
ジュエリーディレクターの伊藤美佐季さんが指南する、大人のためのジュエリーの選び方と、つけ方のエッセンスを連載でお届けします。
2015.12.06(日)
photographed=Masashi Ikuta(makiura office)
Styling=Misaki Ito
hair=Go Utsugi(signo)
make-up=FUSAKO(ota office)
model=Siri
text=Miwako Yuzawa