美しい宝飾の世界を広く知ってもらうための教育機関
「レコール ヴァン クリーフ&アーペル」
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世界5大ジュエラーのひとつ、ヴァン クリーフ&アーペル。その名は広く知れ渡っているけれど、メゾンの作る美しい宝石が、どのように作られているのかを知る一般人はほとんどいない。「レコール ヴァン クリーフ&アーペル」は、長く閉ざされてきた宝飾の世界を、広く一般の人々に知ってもらうための教育機関として2012年に誕生。宝石の聖地、パリ・ヴァンドーム広場で講座を開設し、誰もが気軽に受講可能ということもあり、大変な人気を博している。
その講座をそのまま東京で受けられるサマーセッションを、今回2回目、3年ぶりにアンダーズ東京で開催するという。日ごろ、ジュエリー関連の取材をすることが多い私にとって、特別な講義を受けるまたとないチャンスである。これば是が非でも体験せねばと、胸を躍らせてセッションに臨んだ。
パリで行っている講義そのままを再現
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今回のサマーセッションは、「フランスのジュエリーから日本の漆芸まで」という4時間のコース。これは、パリで開催している15のクラスのうち、最も人気の高い講座のひとつで、講師陣も道具もすべてパリで行っている講義そのままを再現するという。もちろん、日本語通訳付きである。まずは、全員レコール特注の白衣を着用。優雅な雰囲気の中、ヴァン クリーフ&アーペルの腕利きの職人でもあるという講師陣に出迎えられ、セッションがスタートした。
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前半の2時間は、日本の誇る伝統工芸「漆芸」に焦点を当てたクラスで、なんと、ヴァン クリーフ&アーペルの作品も手掛ける漆芸作家の箱瀬淳一氏がスペシャルゲストとして登場。まずは簡単に、日本の伝統工芸である漆芸と、フランスのハイジュエリーが融合する過程の説明を受ける。その後、漆で下塗りを済ませたパピヨンが配られ、そこに自分で描いたデザインを施すという体験型の講義。
生徒ひとりひとりに箱瀬氏とフランス人講師がかわるがわる声をかけ、直々にアドバイス。本物のジュエリー制作と同じ工程を経てパピヨンに思い思いの絵を描くという贅沢極まりない体験に、時間を忘れて没頭。仕上げに、箱瀬氏がほんの少し手を入れてくれると、自分の作品が見違えるほど美しくなり、世界でひとつだけのオリジナルなパピヨンが完成した。
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2016.07.12(火)
文=湯澤実和子
撮影=佐藤 亘