祇園発・わらびもちの名店はパフェもかき氷も絶品!

ぎおん徳屋 原宿店(東京・原宿)
甘味:徳屋の本わらびもち、ぱふぇ、黒みつかき氷

「徳屋の本わらびもち」1,200円。型押しされたきなこと黒みつをかけて。

 夏になると食べたくなるのは、透き通ったビジュアルと儚い食感が涼を運ぶ「わらびもち」。奈良や京都にはわらびもちの名店が多々ありますが、東京で抜きん出た美味しさのわらびもちを食べるなら、原宿の「ぎおん徳屋」です。

 国産の本わらび粉と和三盆糖で作るわらびもちは、お箸で持ち上げると驚くほどとろりとした食感。なめらかな口溶けと歯切れのよいもっちり感、つるりとした喉越しは、できたてだからこその美味しさです。注文のつど上質な国産本わらび粉と水と和三盆糖を丹念に練り上げて作られるため、15分ほど待ちましょう。

前日までに電話予約すれば持ち帰りもOK(4個入り12粒2,500円、6個入り18粒3,500円)。

 練りあがったばかりの本わらびもちは、かき氷で冷やされるようにして漆器に盛られています。別添えのきなこと黒みつをかけていただけば、とろけるような口当たりにうっとり。わらびもちが茶色がかっているのは、本わらび粉を使っている証。和三盆糖の色の効果も多少ありますが、わらび粉100%のわらび粉は、茶色がかっているものなのです。

 逆に言うと、無色透明のわらびもちは、わらび粉以外のデンプンが混ぜられているということ。わらび粉は原料の採取や製造に労力がかかるうえに製造者も減少しているので、希少な高級品。そのため、一般的なわらびもちは、多くの場合、わらび粉にレンコンやタピオカなどから取られたデンプンを混ぜたものや、葛粉が使われているのです。わらび粉の名産地である奈良県・吉野産の本物のわらび粉だけを使った「ぎおん徳屋」のわらびもちは、高級品でもあります。

ユナイテッドアローズ原宿本店ウィメンズ館1階の入口から中に入ると、筆書きの和風ポップアートが飾られたウェイティングスペースが。その先の暖簾の奥に甘味カフェの空間が広がります。

 2004年に祇園で創業した甘味処「ぎおん徳屋」の甘味は、「わらびもち」以外のものも、どれも贅沢な素材の持ち味を引き出すように工夫された上品な味わい。その支店として、2010年に「ユナイテッドアローズ 原宿本店」のウィメンズ館がリニューアルオープンした際に誕生した原宿店には、ここならではの甘味もあります。それが「ぱふぇ」と「あいすくりん」。

2016.06.02(木)
文・撮影=小松めぐみ