海洋、環境、科学・医療とテクノロジーの3つの分野において独創的かつ先見性に富んだプロジェクトを支援する「ロレックス賞」。2026年度の受賞者の一人である、自然保護活動家レイチェル・イケメは、危機的状況にあったナイジェリアの環境をいかに改善させたのか。


世界67か国以上に影響を与えてきた「ロレックス賞」受賞者の功績

 1976年創設のプログラム「Rolex Awards for Enterprise」は、50年の時を経て「ロレックス賞(Rolex Awards)へ名称が変更になり、創設以来、半世紀にわたり独創的かつ先進性に富んだプロジェクトを推進する個人、計165名の受賞者をたたえ、その後も彼らを永続的にサポートしてきた。

 記念すべき2026年度の「ロレックス賞」受賞者5名の一人、レイチェル・イケメはアフリカ西南部に位置する国 ナイジェリア出身の自然保護活動家だ。

 ナイジェリア国家の石油産業の拠点、肥沃なニジェール デルタ地域においてコミュニティと協働する自然保護活動を推進し、類まれな生物多様性を有する生態系を破壊の危機から護る活動を地域に浸透させ、地域の生活向上にも貢献した自然保護プロジェクト推進のパイオニアだ。特に、極めて希少で絶滅寸前とされていたニジェール デルタ アカコロブスザルを危機から救った功績は今なお伝説となっている。

次のページ 稀有な生物多様性の宝庫を襲った悲劇