「運は運ばれてくるものではなくて、自分で運ぶもの」

――願いを叶えるために望月さんが大切にしている考え方を教えてください。

 私が大切にしているのは、スピリチュアルならぬ、“スピリアル”です。いいことがやってくるのをただ待っているのではなく、小さなことでも、自分の願いを叶えるクセをつけてあげる。これが私の考える“スピリアル”です。

 具体的に言うと、「洗濯物を干し終えたらおいしいココアが飲みたい」と思っているのに、洗濯を干し終えても「面倒だからティーバッグの紅茶でいいや」と妥協してしまうと、“叶いグセ体質”から遠ざかってしまいます。

 そもそも願いは、待っているだけでは、いつまでたっても叶わないと思います。たとえば「彼氏がほしい」と思っても、ずっと家にこもりっぱなしで誰とも会わない生活をしていたら、叶うはずないと思いませんか?

 外に出かけたり、新しい習い事を始めてみたりするなど、人と会う機会を増やしてみる。そうやって自分の行動を変えていくことで、彼氏ができる機会も増えていくのではないでしょうか。

 運は運ばれてくるものではなくて、自分で運ぶもの。行動しない願いは、存在していないのと同じことだと私は思っています。

――『満月珈琲店の星詠み』では、登場人物同士がどこかでリンクしていくのも宝探しのようでワクワクします。

 本作に登場する人たちは、それぞれ別の悩みを抱えているようでいて、実はどこかで同じところにつまずいています。自分の本当の願いがわからなかったり、わかっているのに認められなかったり。その迷いが、別の誰かの物語とつながっていく姿は、バラバラなようでつながりをもつ天空の星たちとも重なります。

 実生活でも、誰かの選択が別の誰かの背中を押していたり、思いがけない形で影響を与えていたりすることはあると思います。登場人物たちがゆるやかにつながっていくことで、読者の方にも、「悩んでいるのは自分ひとりじゃない」と思ってもらえたらいいな、という気持ちで書いています。

――ありがとうございました! インタビュー前篇では、作品に多くのインスピレーションを与えた愛猫との日々について伺いました。

望月麻衣(もちづき・まい)さん

北海道出身、京都在住。2013年、エブリスタ主催の電子書籍大賞を受賞しデビュー。16年、「京都寺町三条のホームズ」で第4回京都本大賞を受賞。X:@maimotiduki

「満月珈琲店の星詠み」特設サイトはこちら

https://books.bunshun.jp/sp/full_moon_coffee

『満月珈琲店の星詠み』

望月麻衣 画・桜田千尋
定価 770円(税込)
文春文庫

世界28カ国で翻訳され、累計60万部に達する大人気シリーズ。満月の夜にだけ現れる満月珈琲店では、優しい猫のマスターと星遣いの店員が、極上のスイーツやフードとドリンクで客をもてなす。スランプ中のシナリオ・ライター、不倫未遂のディレクター、恋するIT起業家……マスターは訪問客の星の動きを「詠む」。悩める人々を星はどう導くのか。美しいイラストにインスパイアされた書き下ろし小説。

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