2025年1月の公開から約1年が経過し、今でもロングラン上映中の香港映画『トワイライト・ウォリアーズ 決戦! 九龍城砦』。劇中で、虎兄貴の黒社会組織で若頭を務める青年・十二少(サップイーシウ)役を演じ、日本でも人気急上昇中なのがトニー・ウー(胡子彤)だ。
実は俳優業にとどまらず、歌手としても活動の幅を広げている。そんな彼の、これまでのキャリアを振り返る独占インタビューをお届け。(全3回の1回目)
野球場でスカウトされ、俳優デビュー
――トニーさんは、香港野球協会(香港棒球総会)の青少年選抜チームから、さまざまなアジア競技大会に出場されています。いつ頃から、野球選手になろうと思ったのですか?
香港は日本やアメリカ、台湾に比べると、かなり野球人口は少ないのですが、僕は12歳のときから野球選手になりたいと思っていました。小学校の卒業アルバムの寄せ書きにも、ハッキリと「将来は野球選手になりたい」と書いています。今は俳優活動が忙しくて、なかなか参加できないのですが、そのときの夢に少しでも近づけて、とても嬉しく思っています。
――そして、2016年に公開された香港初のユース野球チームを描いた映画『最初の半歩』に出演されたきっかけは?
実際に起きた物語を題材に映画を撮ろうと思っていたスティーブ・チャン監督が、僕たちがいつも練習している野球場に見学に来たんです。その日の僕は、金髪にサングラス姿で子どもたちに野球を教えていたのですが、そのときのどこか厳しくて偉そうな姿が印象に残ったようで……(笑)。それで僕にオーディションを受けることをすすめ、ラッキーなことに映画出演することになりました。
――野球選手役とはいえ、初めての演技体験。21年に亡くなった監督役の名優リウ・カイチーさんとの共演の思い出を教えてください。
僕も含めた選手役は、新人俳優ばかり。とにかく初めてのことばかりで、いきなりカイチーさんのようなベテランの方との共演できるなんて信じられませんでした。カイチーさんは劇中で演じられた校長先生のように、「ちゃんとご飯食べたか?」「疲れていないか?」と常に声をかけて、いろいろと僕たちの面倒をみてくださいました。
カイチーさんが亡くなったことはとても悲しいですが、彼の影響を受けた僕らはみんな役者を続けています。そのことに、天国のカイチーさんはきっと喜んでくれていると思います。
