中国国外から中国にジャイアントパンダを運ぶ場合、中国の専門家が事前にその国に来るのが通例で、専門家はパンダと同じ飛行機に乗って中国に戻ることもある。中国外交部(外務省)は11月14日(金)夜、中国国民に対し、日本への渡航を控えるよう呼びかけた。中国の航空会社の日本便は、減便が相次いでいる。
もしこの措置が、東京・上野動物園にいる双子のパンダ、シャオシャオ(暁暁)とレイレイ(蕾蕾)の中国行きまで続いた場合、双子の渡航に影響はあるのだろうか。東京都の担当者に尋ねたところ、あくまで自粛であり、また、仮に中国の専門家が来日しなくても、日本の専門家が同乗して双子の体調管理をすることは可能と考えられるので、訪日自粛によって双子の渡航期限が延長となる可能性は低いのでは、とのことだ。
双子を中国まで運ぶ飛行機はチャーター機となる。双子の両親のリーリー(力力)とシンシン(真真)は2011年2月21日に全日本空輸(ANA)の旅客機で中国から来日した。一方、双子の姉のシャンシャン(香香)が2023年2月21日、リーリーとシンシンが2024年9月29日に中国・四川省の成都の空港へ渡ったときは、中国・順豊航空のチャーター機を使った。近年は、諸外国と中国の間のパンダの往来でも、チャーター機の利用が一般的になっている。
最初の行き先は四川省
シャオシャオとレイレイが中国のどの飼育施設へ行くかは決まっていない。中国にいる他のパンダや、同じ時期に中国国外から来るパンダ、中国での施設間の調整などが必要なため、決まる時期は最終段階になる見通しだ。中国国内における施設間のパンダの移動は珍しくない。
移動は、パンダの年齢、体調、繁殖などを考慮して決められる。双子の渡航期限の2月は、パンダの繁殖期に当たる(一般的な繁殖期は2~5月で、このうちの数日間に自然交配の可能性が高まる)。また、双子の渡航への影響は不明だが、2026年の中国の春節休暇は2月15日~2月23日。例年、春節休暇の期間は、中国国内の交通需要が大幅に増える。
中国国外にいるパンダのほとんどは、「中国ジャイアントパンダ保護研究センター」(以下、パンダセンター)もしくは「成都ジャイアントパンダ繁育研究基地」(以下、成都パンダ基地)から派遣されている。上野動物園はパンダセンターからパンダを受け入れているので、シャオシャオとレイレイも最初はこの基地へ行くと見られる。










