11月28日(金)公開の映画『栄光のバックホーム』で、元阪神タイガースの北條史也役を務めた俳優・前田拳太郎。中学生で空手の全国大会を制し、幼い頃からの夢だった“仮面ライダー”になることも実現させた、まさに努力の人だ。そんな彼に、幼少期からこれまでの俳優としての歩みを振り返ってもらった。


練習が嫌いだった空手で全国優勝

――幼い頃の夢は?

 幼稚園の頃は、やっぱり“仮面ライダー”に憧れていました。僕は「響鬼」「カブト」「電王」の世代です。その後、小学生から高校生くらいまでは、これといった夢がありませんでした。というより、誰かに自分の夢を語ることがどこか恥ずかしかったんです。

 友達の誘いで、幼稚園から高校3年生まで空手を習っていたのですが、「将来は空手選手として活躍したい」と思っても、「もし、なれなかったらどうしよう?」という不安がよぎってしまい、その気持ちすら口にできませんでした。

――とはいえ、そんなに長く空手を続けられた理由は?

 小学生の頃は、練習があまり楽しくなくて、よく「おなかが痛い」と言って休んでいました(笑)。放課後に空手の道場へ行くより、友達と普通に遊びたかったんです。だから、「中学生になったら空手をやめて、学校の部活に入ろう」と思っていました。

 でも、中学に上がる前に師範の先生から「この後、どうするんだ?」と聞かれたとき、なぜか「続けます」と答えていて。その瞬間、初めて自分の意思をはっきり言葉にした気がしたんです。そこから全国優勝という目標ができ、気持ちにも火がつきました。

――そして、中学3年生のときには、全国中学生空手道選手権大会の「団体形」で全国優勝。そんな前田さんが2018年に「第31回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」を受けられるきっかけは?

 中学で全国優勝という目標を達成し、空手の推薦で高校へ進学。その一方で勉強にも力を入れ、大学に進みました。実はその前年、高校卒業前にこっそり「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」に応募していたんです。でも、結果は落選(笑)。その頃にはすでに、「俳優として“仮面ライダー”になりたい」という思いが芽生えていました。

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