この記事の連載

高校時代の自分に「無理して学校行かなくてもいい」と伝えたい

――物語では、日向は13年後も當間あみさん演じる初恋相手・桜井萌を思い続けています。杉野さんご自身にも、今も変わらず大切にしている存在はありますか?

 その時々、大切な人やお世話になった方はいらっしゃいますが、ずっと今も同じ熱量で思い続けている方はそんなにいないかもしれません。この人が自分の人生にいてくれてよかった、そのおかげで助かったと思い続けているのは祖父かな。もう亡くなっていますが、僕はすごくおじいちゃんっ子だったので。高校も、おじいちゃんとおばあちゃんから「ここに通ってくれたら嬉しい」と言われたところに進学しました。

――とてもご祖父母思いなんですね! どんな高校生活を送っていましたか?

 僕、中学生の頃は頭が良かったんですよ。オール5をとったりして。その頃は、「勉強ができることが自分の強みかな」なんて思っていたから勉強も頑張って、地域でトップクラスの高校にも進学して。そしたら受かった瞬間、やる気がなくなっちゃったんですよね。燃え尽きちゃったのかな。頑張りたいことは、これじゃないかもって思っちゃったんです。

 なのでこの映画の主人公たちとは違って、僕の高校生活はちょうど人生が停滞していた時期と重なっているのかも。楽しいことの探し方もわからないし、学校に行くのがしんどい、みたいな気持ちをずっと抱えていました。

――つらさを抱えていた時期でもあったのですね。その頃の自分にアドバイスを送れるとしたら、どのような言葉を伝えたいですか?

 「無理して学校に行かなくてもいいんだよ」って言ってあげたいですね。「周りからのプレッシャーに負けないで」って。無理して学校に通うより、家で好きな時間をすごしているほうが、人生が有意義になるんじゃないのかなと思います。

杉野遥亮(すぎの・ようすけ)

1995年生まれ、千葉県出身。2015年に「FINEBOYS」の専属モデルオーディションでグランプリを獲得し、芸能界入り。2017年映画『キセキ ―あの日のソビト―』で俳優デビュー。主な出演作品にNHK大河ドラマ『どうする家康』、ドラマ『しあわせな結婚』、映画『東京リベンジャーズ』シリーズなどがある。』2025年11月から舞台『シッダールタ』も控えている。

『ストロベリームーン 余命半年の恋』

出演:當間あみ 齋藤潤/杉野遥亮  中条あやみ、田中麗奈 ユースケ・サンタマリアほか
原作:芥川なお『ストロベリームーン』(すばる舎)
脚本:岡田惠和  監督:酒井麻衣
配給:松竹
©2025「ストロベリームーン」製作委員会
https://movies.shochiku.co.jp/stmoon-movie

あらすじ

幼い頃から病弱な桜井萌。彼女の夢は好きな人と一緒に見ると永遠に結ばれるという6月の満月「ストロベリームーン」を自分の誕生日に見ること。しかし、15歳の冬に余命半年であることを宣告されてしまう。病院から帰る日に萌は運命の相手を見つけ、高校に通うことを決意する――。

ジャケット 42,900円、パンツ 36,300円/ユハ 靴 106,700円/アデュー(バウ インク 070-9199-0913)

2025.10.15(水)
文=高田真莉絵
写真=佐藤 亘
ヘアメイク=佐藤友勝(Rond)
スタイリスト=井田正明