訪れるたびに、自宅に帰ってきたような安らぎと、新たな発見があるハワイ。次回の旅は、オアフ島から一歩足を延ばして、ネイバーの島々を訪れるのはいかが?

 おもな6つの島々のうち、いちばん最初に誕生したカウアイ島と、いちばん新しいハワイ島へ。2つの島々には、心躍る冒険が待っていた。

ヘリコプターから鳥の目線で深き渓谷を見渡す

500~600万年前に誕生し、西部は雨によって浸食された雄大な景観が広がるカウアイ島。

 “ガーデンアイランド”のニックネームをもつカウアイ島。直径約50キロのほぼ円形の島は、中央にそびえるワイアレアレ山が貿易風を遮ることから、東西南北で気候がまるで違う。ひとつの島ながら、乾いた地域もあれば、しっとりと緑したたる地域もある。

 カウアイ島が海面から隆起したのは500万~600万年前のこと。気の遠くなるような年月をかけ、豊かな雨は彫刻刀のごとく山を削り、渓谷を掘り、緑を育んだ。人が暮らしているのは島の約10%。多様な自然が凝縮し、まるで原始の地球を見るようだ。

カウアイ島の北西部の海岸、畏怖さえ感じる迫力のナ・パリ・コースト。

 カウアイ島では、大自然を体験するメソッドが多彩に揃っている。

 おすすめは、鳥の目線で島を俯瞰する、ヘリコプターツアー。目指すは断崖絶壁の山並みが海へとなだれこむ、迫力の地形のナ・パリ・コーストへ。

ナ・パリ・コーストの崖のふもとにはビーチも。ボートツアーでは上陸も可能。

 ふわりと舞い上がったヘリコプターは、頭上がガラス張りになっている。眼下には、折り重なるような山々と蛇行する川、そして緑の山肌を伝う幾筋もの滝が。滝の数は天候によって変わり、雨の後には100カ所以上にも増えるという。

ハイライトのナ・パリ・コーストでは、あらゆる角度から断崖を眺められる。

 やがて山を越えようと、機体が上昇するにつれ、ヘッドフォンから流れてきたのは、映画『2001年宇宙の旅』のテーマ曲、「ツァラトゥストラはかく語りき」。音楽の盛り上がりに合わせて、尾根を越えると、ナ・パリ・コーストの断崖と深い青の太平洋が視界に飛び込んでくる。シースルーなヘリコプターからの絶景は、まるで全身が目になって対峙するような迫力だ。

高嶺の花と思いきや、意外とお手頃なヘリコプターツアー。

Blue Hawaiian Helicopters(ブルー・ハワイアン・ヘリコプターズ)
所在地 3651 Ahukini Rd, Lihue Heliport #8 Lihue, HI 96766
電話番号  808-245-5800
料金 216.97USドル~/約55分
URL http://www.bluehawaiian.com/kauai/tours/

2016.02.29(月)
文・撮影=古関千恵子