福井での生活は、車がないと大変

アトリエの周りは美しい自然がいっぱい。

 ということで今では、犬と一緒に福井に行く場合は、新幹線利用がメインになりました。北陸新幹線開通のおかげで、特に軽井沢からそのまま福井へ移動するのは本当に楽です。

 福井での生活は、車がないと大変です。アトリエから近くのバス停まで徒歩20分、コンビニまでだとたぶん40分ぐらい。最初の頃は、数日に一度、友人に頼んで車で食料の買い出しなどに行っていましたが、制作に必要な道具など、ちょっとした買い物にも困るので、結局、軽井沢に置いてあった私の軽自動車を福井に移動させました。6時間弱のドライブの運転手はもちろん夫です。そして12月上旬に軽井沢にまた移動。

 私がアトリエを借りているあたりは、かなりの豪雪地帯らしく、まだまだ運転に自信のない私には無理。1~3月は、アトリエに行く予定はありません。

工房では、取材を受けることも多い。

 福井での生活は、とても規則正しいです。朝8時ぐらいに起きて、犬の散歩後は制作スタート。夕方6時ぐらいまで制作。その後、近所の温泉に入り、部屋で映画を一本観て寝る……というような感じ。陶芸については、まだまだ勉強することが多いので、やることが無限にあるのです。しかし来年はもう少しゆとりもできているはずなので、福井生活をもっと堪能したいなと思っています。

松尾たいこ(まつお・たいこ)
アーティスト/イラストレーター。広島県呉市生まれ。1995年、11年間勤めた地元の自動車会社を辞め32歳で上京。セツ・モード・セミナーに入学、1998年からイラストレーターに転身。これまで300冊近い本の表紙イラストを担当。著作に、江國香織との共著『ふりむく』、角田光代との共著『Presents』『なくしたものたちの国』など。2013年には初エッセイ『東京おとな日和』を出し、ファッションやインテリア、そのライフスタイル全般にファンが広がる。2014年からは福井にて「千年陶画」プロジェクトスタート。現在、東京・軽井沢・福井の三拠点生活中。夫はジャーナリストの佐々木俊尚。公式サイト http://taikomatsuo.jimdo.com/

Column

松尾たいこの三拠点ミニマルライフ

一カ月に三都市を移動、旅するように暮らすイラストレーターの松尾たいこさんがマルチハビテーション(多拠点生活)の楽しみをつづります。

2015.12.12(土)
文・撮影=松尾たいこ