穀物や野菜を中心とした食事法、マクロビオティック。この連載では旬の食材を使った簡単マクロビレシピを紹介します。オールベジとは思えないしっかりしたおいしさと食べごたえは、週末のブランチや友人の集まるパーティレシピにもぴったり。ストイックになりすぎない「ゆるマクロビ」をはじめましょう。
「梨」のプチフール・タルト
瑞々しくフレッシュな梨とリンゴジュースでコンポートを作り、これにお豆腐をベースにしたクリームをあわせ、プチフールのタルトに仕上げます。
コンポート液に体を温める葛粉を使い、また温かいコンポート液に梨を漬け込むことで体を冷やさない工夫をしています。サクサクの食感がおいしいタルト生地には米粉に加え美容効果の高いアーモンドパウダーをたっぷりと使いました。
卵、乳製品だけでなくグルテンフリーのレシピなので、小麦アレルギーのある方も安心して召し上がっていただけるスイーツです。
梨以外のフルーツにも応用可能。色々なフルーツを使って仕上げ、お皿に並べるととても華やかで、ホームパーティのデザートメニューにも喜ばれそうですね。
【旬の食材】梨
「梨」は日本(日本なし)や中国(中国なし)、欧州(西洋なし)が原産です。90%が水分でカリウムが多く、利尿を促すためむくみや二日酔いに効果があります。また食物繊維が比較的多く、便を柔らかくする糖アルコールの一種ソルビトールを含んでいるため、便秘解消にも効果のある食材です。
マクロビ的には陰性に属する果物で、冬に向かう体作りのためには食べすぎると体を冷やすと考えられており、食べる時間帯や量、頻度、食べ方などに工夫が必要です。とはいえ昔から、肺を潤して咳や痰を鎮め、喉の渇きや痛みを癒すと考えられているので、季節の変わり目で風邪を引きやすい今の時期にはおすすめの食材です。
内臓の働きが活発になる朝から昼にかけて食べる、塩を少々振って食べる、火を通す、陽性の食材と組み合わせるなど、体を冷やさない工夫をしながらおいしくいただきましょう。
2015.10.20(火)
文=中村恭子
撮影=秋元良平