公開インタビューでアーティストの本音を掘り出す

左から、伊藤涼さん、NAOMI OBATAさん、Yun*chiさん、黒木渚さん、山口哲一さん。

 CREA WEBの人気コラム「来月、流行るJポップ チャート不毛時代のヒット曲」が連載開始から2周年を迎えたことを記念して、2015年9月13日(日)、紀尾井町の文藝春秋西館にて、トークイベント「紀尾井町で逢いましょう」が開催された。

 ホストを務めるのはもちろん、この連載で毎回近未来のヒットについて侃々諤々の議論を展開している山口哲一さんと伊藤涼さん。そして、特別ゲストにお迎えしたのは、 このコラムでも楽曲が取り上げられた黒木渚さんYun*chiさんのおふたり。

山口・伊藤両氏には、『最先端の作曲法 コーライティングの教科書』および『とびきり愛される女性になる~恋愛ソングから学ぶ魔法のフレーズ』(ラブソングラボ名義)という2冊の共著がある。

 彼女たちの創作の秘密に迫る公開インタビューの他、このコラムの名物である“妄想分析”(伊藤涼さんが楽曲の歌詞からさらなる物語を妄想する)の朗読など、ユニークな趣向に満ちたイベントとなった。

 まずは山口さんと伊藤さんが登壇。これまでのヒット予想の答え合わせを行うとともに、対談を始めたきっかけ、さらにはその舞台裏などを明かした。

黒木渚さんがリリースしたばかりのセカンドアルバム『自由律』には、「来月、流行るJポップ」で取り上げたシングル曲「虎視耽々と淡々と」も収録。

 お待ちかね、最初のゲストは黒木渚さん。文学的かつ演劇的なその世界観の原点は「中高生時代、軍隊のように厳しい寮に入っていたので、現実から逃避しようとするあまり妄想する力が鍛えられた」ことだそう。会場中が、それを聞いてなるほどと深く納得した模様。

 また、山口・伊藤両氏がこの連載で語った黒木さんのシングル「はさみ」評に影響を受け、その後の曲の作り方が、キャッチーさを意識するように変わったことも告白した。

 最近では小説にも手を広げている彼女。 今後の音楽性のさらなる広がりに期待したい。

2015.10.16(金)