穀物や野菜を中心とした食事法、マクロビオティック。この連載では旬の食材を使った簡単マクロビレシピを紹介します。オールベジとは思えないしっかりしたおいしさと食べごたえは、週末のブランチや友人の集まるパーティレシピにもぴったり。ストイックになりすぎない「ゆるマクロビ」をはじめましょう。
「パプリカ」のアジアンサラダ
ビタミンカラーが食欲を刺激する赤と黄のパプリカをスティックサラダにして、ココナッツの香りがエキゾチックなドレッシングを作ります。暑い季節は加熱調理をできるだけ避けたいものですが、冷たいお料理ばかりでは体を冷やしてしまいかねません。
アジアン風ドレッシングのレシピは、練りゴマにココナッツクリームを合わせたコクのあるベースに、陽性の調味料しょう油を使い、生野菜と合わせても体を冷やしすぎない工夫をしています。また、練りゴマに含まれる油で、パプリカに多く含まれるβ-カロテンの吸収力もアップします。パプリカ以外にもパクチーやアボカドなどの南国の食材のほか、キュウリやセロリなどとも相性抜群ですよ! 生春巻きの皮で包むときれいな色が楽しめて、ホームパーティでも大活躍する一品です。
【旬の食材】パプリカ
「パプリカ」はナス科の多年草でトウガラシ属ですが、肉厚で辛みがなく甘い品種です。栄養素の構成はピーマンと似ていますが、ビタミンCを守ることで知られるビタミンPを含んでいることが特徴です。
ビタミンPの働きはビタミンCを壊しにくくするほか、毛細血管を強化し、出血の予防や、アレルギー、感染の予防にも効果があります。β-カロテンも豊富に含んでいるので、油とあわせて摂り、吸収を高めると良いでしょう。
マクロビ的にはナス科の植物はもともと観賞用であったこと、極陰性(強い陰性)に属することなどから食用としてはあまりすすめていませんでしたが、最近ではカラフルな色の野菜には第7の栄養素として注目され、強い抗酸化力をもつファィトケミカルが豊富なことも知られています。陰陽のバランスを考えながら調理し、旬の時期には積極的に取り入れたい食材です。
パプリカは生食だけでなく加熱調理にも向いているため、和洋中と色々なお料理に使えます。
2015.08.28(金)
文=中村恭子
撮影=秋元良平