穀物や野菜を中心とした食事法、マクロビオティック。この連載では旬の食材を使った簡単マクロビレシピを紹介します。オールベジとは思えないしっかりしたおいしさと食べごたえは、週末のブランチや友人の集まるパーティレシピにもぴったり。ストイックになりすぎない「ゆるマクロビ」をはじめましょう。

「パセリ」の磯あえ

 1束買ってもつい余らせてしまうことの多いパセリ。そんなパセリを使い切ることのできる簡単レシピをご紹介します。

 そのまま食べると、独特の香りが苦手という方も、火を通すことで食べやすくなります。さっと湯がいたパセリを昆布出汁と醤油を合わせた調味液に浸したおひたしはそれだけでもおいしいのですが、今回は板海苔とあえる磯あえに仕上げます。

 通年手に入るパセリですが、マクロビ的に夏の海藻と言われる海苔を合わせることで、季節感を出しました。涼しげなテーブルコーディネートに合わせて、夏メニューの一つに加えてみませんか?

【旬の食材】パセリ

 「パセリ」はヨーロッパが原産の食用ハーブで、食欲増進、疲労回復、口臭予防などに効果があると言われています。スーパーでは通年売られており、とてもポピュラーな食材の一つです。

 年間を通じてもっとも多く出荷されるのは12月ですが、パセリの香り成分であるアピオールには腸内細菌の繁殖を抑え、食中毒を予防する効果があるため、実は取り入れていただきたいのは梅雨時から夏にかけての時期。

 マクロビ的にはほぼ中庸(陰と陽の中間のエネルギー)の食材と考えられており、つまり体を極端に冷やすものではないので、季節を問わず安心して食べることができます。おすすめの食べ方は、サラダやスープ、おひたしなど、添え物ではなくメインの食材として使うこと。

 パセリの栄養価はとても高く、鉄分は野菜の中でトップと言われており、ビタミンCのほか、カルシウムも豊富に含んでいます。調理法で注意することは、ビタミンCの流出を防ぐこと。生で食べる、茹でる際は短時間で、スープやみそ汁にして汁ごといただく、などの工夫をすると、美肌、風邪予防、疲労回復、骨粗鬆症予防、貧血予防などに効果が期待できますよ。

 料理の彩りとして添えるだけではもったいない栄養満点のパセリ、今の時期に、たっぷりとってくださいね。

2015.08.01(土)
文=中村恭子
撮影=秋元良平