絶滅危惧種センターでチーターにタッチ!
ロッジに戻って朝食をとった後は、「フーデスプリット絶滅危惧種センター」へ。ここでは、現在、シロサイ、ライオン、セーブルアンテロープを始め、アフリカンワイルドキャット、カラカル、ミーアキャットなど、14種類の動物・鳥類が保護されている。
特にチーターの繁殖に力を注いでいて、これまでに300頭近いチーターがこの施設で生まれた。施設内では、なんと、チーターに触っている写真を撮ることもできる。
実は、「キャンプ・ジャブラニ」のオーナーが最初に造ったのはこちらの施設のほう。現オーナーが子供のチーターを見つけたことがきっかけだった。その後、父親から受け継いだ牧場を経営していた彼女は、牛を手放して35頭のチーターを保護する施設を造った。ところが、牛がいなくなると、設備費や餌代などをまかなう収入がなくなってしまった。そこで、「キャンプ・ジャブラニ」を造ることにしたのだ。
ジャブラニは、1997年、傷ついて泥の中で見つかった。絶滅危惧種センターで1年間に及ぶ治療とリハビリを経て野生へと戻すことになったが、人に慣れてしまい、本来の野生に戻すことは難しかった。そんな中、2002年、ジンバブエにあった食用肉に加工するための施設に入れられていた11頭のゾウたちを全て買い取り、2004年に「キャンプ・ジャブラニ」をオープン。その後、2頭の子供が生まれ、ゾウは14頭となった。
こうして、オーナー一家に助けられたゾウたちが「キャンプ・ジャブラニ」で世界各地から訪れる人々にジャブラニ(喜び)を与え、その収入が絶滅危惧種センターにいる動物たちを助けたいというジャブラニの連鎖となっている。ここに滞在して宿泊費を支払うことが、こんなにもたくさんの動物たちの役に立っているということを知り、ますますジャブラニな気持ちになったのだった。
HESC Hoedspruit Endangered Species Centre
(フーデスプリット絶滅危惧種センター)
URL http://hesc.co.za/
2015.07.24(金)
文・撮影=たかせ藍沙