世界一美しいといわれる大砂丘へ!

砂丘群の中央にある道を走ると、左右にいくつもの砂丘が連なっている。

 ロッジを出たのは夜明け前。国立公園のゲートを抜け、大砂丘群の手前で車を降りて小さな砂丘に登った。東の空の朱色が、夜明けが近いことを告げていた。すると、すぅーっと気球が昇っていった。空から眺める夜明けの砂丘も美しいに違いない。

左:地平線近くから気球が昇っていった。
右:砂に絵を描きながらナミビアの地理や砂漠の生き物のことを教えてくれるヴァレンチヌスさん。
早朝の陽の光に照らされて、美しさを際立たせる大砂丘。

 そんな風景を眺めながら、ガイドのヴァレンチヌスさんが砂にナミビアの地図を描き、砂の色は鉄分が酸化して赤くなったこと、その酸化も助けている砂漠の霧のこと、12~3月頃の夏に雨が降ると、砂丘は草に覆われることがあり、その根によって崩れにくくなっていることなどを説明してくれた。

 再び車に乗り大砂丘を目指す。地平線を離れたばかりの太陽の光は濃い影を造り、砂丘の曲線美を際立たせていた。砂漠は波打っているかのような緩やかな曲線を描いている。途中、多くの人が巨大な砂丘に登っていく姿を見かけた。高さ約300メートルの大砂丘「ビッグダディ」だ。

 すると、ヴァレンチヌスさんが言った。「今日はあれには登らない。ほかの人が行く前に、もっとステキな場所に行こう!」

「デューン45」には大勢の観光客が登っていた。
左:約300メートルある頂上付近の尾根にも小さく人影が見える。
右:頂上を目指して登っている人、尾根に腰掛けている人と、砂漠の楽しみかたはさまざま。

 そこは、ソススフレイという、砂丘群の最深部。車を降りると、デッドフレイと呼ばれる場所を目指すという。同じ車に乗っていたドイツ人家族のご両親は、砂丘に登らずにガイドとまっすぐにデッドフレイへ。私は、ドイツ人女性に続いて砂丘を登ってからデッドフレイに行くことに。このお嬢さん(笑)が、ほんとうに健脚! あっという間に砂丘を登ってしまった。その後から「ぜーぜー!」と息を切らしながら(汗っ)、水を飲んだり、写真を撮ったりして休み休み追いかけたのだった。

リトル・クララの車に同乗したドイツ人女性。健脚で追いつけない!(笑) 右手にデッドフレイが見えてきた。

2015.07.17(金)
文・撮影=たかせ藍沙