Magnificent View #638
麗江(中国)

(C) Robert Harding Images / Masterfile / amanaimages

 中国南部の雲南省にある麗江。標高約2400メートルの高原に位置するこの街には、少数民族のナシ族が暮らしている。彼らの故郷といわれているのが、麗江旧市街だ。

 街が築かれたのは、12世紀から13世紀にかけての南宋時代。石畳が敷かれた細い道には、本瓦葺きの木造家屋が密集し、当時とほぼ変わらない姿をとどめている。人々の暮らしを支えているのが、玉龍雪山からもたらされる豊富な雪解け水。街中には水路が網の目のように張り巡らされ、井戸の周りでは、女性たちが野菜を洗う。

 旧市街というと、堅牢な城壁に囲まれた街が多いが、ここに城壁が築かれたことは一度もない。理由は、麗江を統治していた木氏が、「木」が統治する地域を城壁で囲むことで「困」の文字を表すのを嫌ったためと言われている。

 日没以降はオレンジ色の街灯が灯り、街はいっそうノスタルジックに。夜12時近くまでライトアップが続き、散策を楽しむ人々でにぎわう。

Column

今日の絶景

この広い地球上には、まだまだ知られざる素晴らしい景色がある。思わず息を飲んでしまう雄大な自然、ミステリーにあふれた驚きの奇観、そして、人間の文明が刻んだ偉大な足跡……。ここに、選りすぐりの絶景をお届けします。さあ、ヴァーチャルな世界旅行へと出かけよう!

2015.06.30(火)
文=芹澤和美