早朝の濃霧が晴れ、あの風景が目の前に!
マチュピチュ遺跡は、14~16世紀頃のインカ文明時代に造られた街。1911年にハイラム・ビンガムが再発見するまでの約400年間は、周辺の住民が知るのみの忘れ去られた街だった。遺跡に入るには、ゲートで、事前に申請した許可書とパスポートの名前が合致する必要がある。遺跡を保護するために、入場制限をしているからだ。
空気が薄いうえ、急な斜面を登っていくので、荷物はリュックサックなどの両手が空くようなものにするとベター。汗をかいて喉が渇くため、水も必須だ。トイレはゲートの内側にあるのみ。そんなことをチェックしながら、いざ、急な坂道へ!
と、勢いよく歩き出したものの、あっという間に息が切れる。東京にいるときはもっぱら原稿書きでパソコンの前に座っている私。「ぜー、ぜー、これはきっと空気が薄いからよね、ぜー、ぜー!」と、坂の途中でひと休み。気がつくと、行く手にリャマが! 触れてしまいそうなくらいの接近遭遇に一気にテンションが上がるものの、人通りの多い場所で暮らしているだけに、アチラはまったく我関せずで草を食んでいる。上から降りてくる人がいても知らんぷりだ。すれ違う人たちと「ハロー!」と声を交わしながら、もう一踏ん張り!
すると、坂道の先に、写真でよく知る山が見えた! もう、息が切れていることも忘れ、遺跡の石垣を登り、エイヤッと少し高い場所へ。「わーっ!」としか声が出なかった。目の前には空中都市があった! よく知る風景の手前には、段々畑があったり、別の山があったり。来てみないと目にすることができない大パノラマが目の前に広がっていた。
手前の段々畑の橋まで行って遠くから眺めたり、リャマの写真を撮ってみたり。そして、街に降りていき、「聖なる広場」などを見学。あっという間に時間が過ぎ、ホテル、ベルモンド サンクチュアリー・ロッジに戻ることに。客室数が少なく、宿泊費も高額なホテルをやっとこさ押さえることができたので1泊するのだ。ここまで来たのだから、ゆっくり観光したいというものだ。初日はかなり曇っていたので、翌日は晴れることを祈りつつホテルで休んだ。
翌朝は夜明けとともに起きた。外を見ると濃霧がかかっていた。少し様子を見ることにした。山頂のホテル滞在者の特権で、歩いて10メートルほどの場所に遺跡のゲートがある。「霧は晴れないけれど、雨季だから仕方ないかも」などと思いつつ、予定よりも1時間くらい遅らせて遺跡に登ってみた。
すると、なんと、私がベストポジションに着いた途端に、すぅーっと霧が晴れたのだ! 周囲にいた旅行者たちも大興奮。前日とはうって変わって、濃い影で際立った遺跡の美しいこと! 日差しが肌にジリジリと感じるくらい強く、高地ということを実感しつつ、遺跡の中を歩き回った。
ガイドの方は、「これはもう、乾季の天気ですよ」とのこと。雨も覚悟してカッパを用意していたのに使うこともなかった。山の天気は気まぐれというが、季節を狙いすぎず、雨季だけど今しか行けないかも、と考えて出かけてきてよかったと思ったのだった。
Beimond Sanctuary Lodge(ベルモンド サンクチュアリー・ロッジ)
所在地 Machu Picchu, Cusco, Peru
電話番号 +51-84-21-1038
URL http://www.belmond.com/ja/sanctuary-lodge-machu-picchu/
【日本での問い合わせ先】
ベルモンド ジャパン(ホテル)
フリーダイヤル 0120-229-800
2015.06.19(金)
文・撮影=たかせ藍沙