【次に流行ってほしいもう一曲】
STARMARIE「サーカスを殺したのは誰だ」

ライブで本領を発揮する5人組アイドル

伊藤 同週にSTARMARIEの「サーカスを殺したのは誰だ」もリリースになります。今年の春に出した、彼女たちのアルバムに楽曲を提供したことがあるので、気にはなっていたんです。今回のシングル曲は浅田祐介さんのプロデュース曲ですね。

山口 浅田さんが、ライブアイドルのプロデュースをやるっていうのは珍しいですよね。

伊藤 ですよね。ただ今回、STARMARIEの資料を貰ってから気づいたんですが、カップリングも含めクリエーター陣はオール身内ですね(笑)。コライティングファーム(山口が塾長、伊藤が副塾長を務める「山口ゼミ」〈外部サイト〉修了生による、作曲家チーム)のメンバーが参加していることは聞いていませんでした。

山口 僕も知らなかったです(笑)。彼らも頑張ってますね、カップリングの曲も悪くないですよ。

伊藤 そうなんだ。曲は聴けていないんだけど、コライティングファームでの経験が実を結んできているってことですね。あまりライブアイドルには明るくないんですが、ここ数年のアイドルブームで彼女たちはどんなポジションなんですか?

山口 日本のライブアイドルシーンは飽和しているからでしょうか、米国のSXSW(サウス・バイ・サウスウエスト/毎年、米テキサス州オースティンで行われる音楽祭)やアニメエキスポに出演したり、定期的に、台湾やフィリピンでイベントに出たりとアイドルでは珍しいですね。海外活動は、僕も事務所から相談されたりしているので、何度かライブは観ています。元は、3人組だったのですが、1人脱退した機会に、メンバーが3人増えて、5人組になりました。特にそれから評判良いみたいですね。

伊藤 ふーん、3人組から1人脱退して、メンバーが3人増えて、5人組に。なんか複雑ですが、それでもファンがついてくるってことは、彼女たちのキャラクターそのものが際立って魅力的なんですね。是非、そのSTARMARIEと仲間のクリエーターたちが一緒に、これからのアイドル戦争を生き抜いて、勝ち抜いていってほしい!

山口 そうですね。彼女たちの場合は、曲を聴いて云々と言うよりは、ライブを観て楽しむのが良いと思います。無料イベントなどもたくさん行っているようなので、機会があったらライブを観てほしいです。

STARMARIE「サーカスを殺したのは誰だ」
色彩RECORDS 2014年12月3日発売
1,080円(税抜)
■2008年に結成されたSTARMARIEは、松崎博香、中根礎子、木下望、高森紫乃、渡辺楓という19歳から24歳までの5人からなるアイドルユニット。ダークファンタジーをコンセプトに、ゴスロリや和服などのコスチュームに身を包み、激しいパフォーマンスを繰り広げる。
■「サーカスを殺したのは誰だ」作詞/yusuke.t 作曲・編曲/U-SKE
■オフィシャルサイトURL http://starmarie.syncl.jp/

山口哲一 (やまぐち のりかず)
音楽プロデューサー、コンテンツビジネス・エバンジェリスト。(株)バグ・コーポレーション代表取締役、「デジタルコンテンツ白書」(経産省監修)編集委員。プロデュースのテーマに、ソーシャルメディア活用、グローバルな視点、異業種コラボレーションを掲げて、音楽とITに関する実践的な研究を行っている。著書に『ソーシャルネットワーク革命がみるみるわかる本』(ダイヤモンド社)、『ソーシャル時代に音楽を“売る”7つの戦略』『プロ直伝! 職業作曲家への道』(リットーミュージック)、『世界を変える80年代生まれの起業家 ~起業という選択~』(スペースシャワーネットワーク)がある。最新刊は『DAWで曲を作る時にプロが実際に行なっていること』(リットーミュージック)。詳細プロフィールはこちら
Twitter@yamabug https://twitter.com/yamabug
ブログ「いまだタイトル決めれず」 http://yamabug.blogspot.jp/
作曲家育成セミナー「山口ゼミ」 http://www.tcpl.jp/openschool/yamaguchi.html
WEDGE Infinity連載「ビジネスパーソンのためのエンタメ業界入門」 http://wedge.ismedia.jp/category/entertainment

伊藤涼 (いとう りょう)
音楽プロデューサー、ソングライター。ジャニーズ・エンタテイメントで『青春アミーゴ』などのミリオンセラーをプロデュース、後にフリーランスに。ソングライターとして、乃木坂46『走れ!Bicycle』、AKB48『ここにいたこと』などの作品がある。作詞アナリスト、フードミュージックプロデューサーとしても活躍。論理的で明晰な分析力に注目。著書に『作詞力 ウケル・イケテル・カシカケル』(リットーミュージック)がある。
マゴノダイマデ・プロダクション http://www.mago-dai.com/
ブログ「伊藤涼の音楽」 http://ameblo.jp/magodai/
伊藤涼が主宰する作詞研究室リリック・ラボ 
http://www.mago-dai.com/?p=746

 

Column

来月、流行るJポップ チャート不毛時代のヒット曲羅針盤

音楽ビジネスとITに精通したプロデューサー・山口哲一。作詞アナリストとしても活躍する切れ者ソングライター・伊藤涼。ますます混迷深まるJポップの世界において、この2人の賢人が、デジタル技術と職人的な勘を組み合わせて近未来のヒット曲をずばり予見する!

2014.11.30(日)
文=山口哲一、伊藤涼